2025-01-01から1年間の記事一覧
1997年発表の本書は、海の冒険小説家ダグラス・リーマンの海戦もの。これまで数冊紹介しているが、主人公たる船は河川砲艦、掃海艇等々割合小型のものだった。ところが本書では、3万トン超の巡洋戦艦<リライアント*1>である。 巡洋艦の機動力(速力30ノッ…
これまで日本海軍についてはさまざまな技術的、経済的な分析をした書を紹介しているが、2001年発表の本書は「思想戦」がテーマ。真珠湾攻撃の直前から、京都学派と呼ばれる哲学者たちが、 ・日米開戦の回避 ・一日も早い有利な条件での終戦 ・敗戦後の処理を…
2019年発表の本書は、PHP研究所の月刊誌<歴史街道>に掲載された、太平洋戦争関連の記事15編を収めたもの。初出は2008~2019年と様々だが、歴史研究なので古い記事でも参考になると考えて買ってきた。著者は複数の記事を書いた人もいるので12人。したがって…
2005年発表の本書は、以前「パールハーバーの真実*1」などを紹介した軍事ライター兵頭二十八氏と、歴史評論家別宮暖朗氏の共著。WWⅡで使用された旧日本軍の兵器は、速戦即決型の戦争を戦うために開発されたもので、長期の戦争に耐えるものではなかった。特に…
2020年発表の本書は、経済ヤクザ出身の評論家菅原潮氏(通称猫組長)の投資指南書。「COVID-19」禍と米中戦争で、世界経済は大きな打撃を受ける。今できる最善の投資は「投資しないこと」だというのが本書の主張。 高校時代から株式に興味を持ち、バブルに踊…
1984年発表の本書は、「危険な犯罪小説家」と帯で紹介されるジェイムズ・エルロイのサイコ・サスペンス。「血まみれの月」でデビューしたロス市警ハリウッド署のロイド・ホプキンス部長刑事の第二作だというが、前作は手に入っていない。 危険な刑事と評判の…
2024年発表の本書は、東京大学名誉教授(財政学)神野直彦氏の「社会再生論」。厳しい新自由主義への批判が込められていて、それが共同体社会を壊し、格差を広げて人間相互の信頼関係を失わせたとある。財政を単なる国家の「勘定」と思っていた僕には、大き…
2012年発表の本書は、京都大学出身のミステリー作家岡崎琢磨のデビュー作。第10回「このミス大賞」隠し玉賞受賞作である。舞台は京都、青年アオヤマ君が本格喫茶<タレーラン>で出会う美星という名のバリスタと、日常的な小さな事件の数々を描いたものだ。…
1961年発表の本書は、「女王陛下のユリシーズ号*1」でデビューした冒険小説作家アリステア・マクリーンの犯罪小説。初期のころには巨大な敵と戦う話が多かったのだが、このころから敵が小物になる傾向がある。後年の「麻薬運河*2」は、警察小説になってしま…
1986年発表の本書は、女流作家フェイ・ケラーマンのデビュー作。ロサンゼルスに近い正統派ユダヤ教コミュニティを描いて、マガウティ賞の最優秀新人賞に輝いた作品である。原題の「The Ritual Bath」とは、身を清めるための特殊な水風呂のこと。例えば、夫婦…
2025年発表の本書は、メディア研究の著書が多いジャーナリスト下山進氏の「旧メディア生き残り策」。2021年から「サンデー毎日」などに2ページのコラムを書いてきたものから35篇を選び、それを書下ろし原稿でつなげる形式で編集したものだ。 2017年までの10…
1999年発表の本書は、すでに<スペンサーもの>を紹介しつくしたロバート・B・パーカーの別シリーズ。やはりボストンを舞台にした、私立探偵ものだ。主人公サニー・ランドルは、30歳そこそこのバツイチ女。元夫のリッチーも彼女も警官だった。彼女の父親も引退…
1992年発表の本書は、アラスカ在住の形成外科医リチャード・パリーの第二作。デビュー作「アイスウォリアー」は入手できていない。遺伝子操作されたインフルエンザウイルスを使って、イスラムテロリストが米国に攻撃をかける話である。300人近い乗客乗員が乗…
2023年発表の本書は、ノンフィクション作家河合香織氏の「不老不死研究最前線レポート」。不老不死は古来為政者の希望だが、Googleの共同創業者が「寿命を100年伸ばす研究」に15億ドルを投資したニュースもあった。 ヒトはなぜ老いるかというと、不要なタン…
2004年発表の本書は、以前「へんな兵器」「WWⅡ秘話」を紹介した軍事史ライター広田厚司氏の「不可解・奇妙・偶然」なエピソード集。戦争は常にカオスであり、信じがたいことが起きる。筆者はWWⅡ戦史を専門に雑誌<丸>などに寄稿していて、単独では物語にな…
2022年発表の本書は、MUFGで30年以上勤務し主にシステム関連を担当した静岡大学遠藤正之教授の「銀行DX論」。30年前にビル・ゲイツは「銀行機能は必要だが、今の銀行は必要ない」と金融業界の改革を促したとされる。 店舗を設け、バックヤードで紙幣を含む大…
蒲田のBookoffで見つけた本書が、マージェリー・アリンガムの<キャンピオン氏の事件簿:第一集>。これまで日本で再編出版された3冊の短編集のうち、2冊を紹介している。探偵役のアルバート・キャンピオンは、1900年生まれ。1929年の「The Crime at Black…
1996年発表の本書は、20年余り銃器関連の書籍を書いてきた専門家クレイ・ハーヴェイが初めて書いたアクション小説。多種多様な銃器が登場し、その使い方・特徴・留意点などは詳細だ。ジャック・ヒギンズやロバート・B・パーカーが賛辞を寄せる一方、「こんなひ…
2023年発表の本書は、評論家佐高信氏とノンフィクション作家森功氏の対談集。日本の怪物として、 ・カルト宗教、統一教会 ・闇の帝王、許永中 ・国商、葛西敬之 ・ロッキード事件、児玉誉士夫と小佐野賢治 ・総利権化の権化、竹中平蔵(本書の紹介のママです…
1966年発表の本書は、読売新聞の特派員から作家に転じた三好徹のスパイスリラー。日本のミステリーで欧米に後れを取るとしたら、この分野だろう。太平洋戦争前は当然のこと、戦後になってもスパイものはあまり書かれなかった。しかし作者は、特派員だった経…
本書は女流作家サンドラ・スコペトーネが、ジャック・アーリー名義で1984年に発表したデビュー作。米国私立探偵作家協会(PWA)賞の新人賞を獲得した作品である。ハードボイルド私立探偵には、その街の影が色濃い。主人公フォーチューン・ファネリはイタリア…
2024年発表の本書は、佐々木孝博元海将補の「軍艦の歴史」。筆者は防衛大学校時代に師事した野村實氏の「海戦史に学ぶ*1」を継ぐものとして本書を書いたと思われる。1852年ペリー来航以来、海に支配者がどう変遷してきたかの歴史である。 WWⅡまでの軍艦につ…
今日(11/17)は将棋の日。東大将棋部卒のミステリー作家斎藤栄が、生涯唯一書いた歴史小説は、やはり将棋に関するもの。ある意味作者のライフワークのような作品で、1977年から16年かけて書き継がれたのが「棋聖忍者天野宗歩シリーズ」。本書は全8巻の最初…
本書(1965年発表)の作者ハリー・クレッシングのことは、ペンネームだという以上は何も分かっていない。他にもう1作あることはあるようだが、全く謎めいた作者である。 一人の背の高い男がある日、自転車に乗ってコブの町にやってきた。この街も架空のもの…
2023年発表の本書は、中東調査会研究主幹青木健太氏の<アフガニスタンの今>。アケメネス朝ペルシア(前6世紀)から、アレクサンダー大王の東征など幾多の歴史に登場する「文明の十字路」なのだが、反面「帝国の墓場*1」とも呼ばれるのがこの地。 1973年ザ…
2015年発表の本書は、ミルウォーキー在住の作家ニコラス・ペトリのデビュー作。国際スリラー作家協会賞など、複数の賞を獲得した作品である。以前紹介した「NCIS」のビデオでも再三イラクやアフガンからの帰還兵の悲劇が描かれる(ギブス自身帰還兵である)…
本書は<Hard Case Crime>というペイパーバックシリーズの1冊として2004年に発表され、翌年の米国探偵作家クラブ賞最優秀ペイパーバック賞を受賞した作品。作者のドミニク・スタンズベリーは、人生の暗黒面・呪われた面を書くことに長けたサスペンス作家で…
僕も20歳前後まではそうだったのだが、ミステリーマニアとして「Best○○」という言葉には弱い。その中に自分が読んでいない本がどれだけあるか、リストから消込みをして本屋通いをすることになる。 2012年発表の本書は、文春文庫が日本推理作家協会員やマニア…
2024年発表の本書は、朝日新聞出身のウェブメディア運営者鮫島浩氏の「政治とカネ論」。主張ポイントは「民主主義を守り(有権者が)政治を自分事化するために、カネの流れに着目しよう」ということ。具体的には、政治献金などしていない一般市民も税金とい…
1950年発表の本書は、技巧の名手ヘレン・マクロイの<ベイジル・ウィリング博士もの>。コネチカット州のブレアトン女子学院に勤めて5週間にもならない美術教師のフォスティーナ・クレイルは、突然校長から解雇を告げられる。しばらく前から、学院内でよそ…