新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

「Wuhan」が大変なことに・・・

 今も続く「COVID-19」禍。一時期「ゼロコロナ政策」が上手くいっているかのように見えた中国でも、このところ<オミクロン株:BA2>のように感染力の強いウイルスが蔓延し、上海・西安など大都市がいくつもロックダウン状態にある。全ては2020年1月「武漢:Wuhan」から始まったのだが、そのレポートはすでに2つ紹介している。

 

ドキュメント、2020年1~4月 - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

もう2年も経ったのかと・・・ - 新城彰の本棚 (hateblo.jp)

 

 前者がNNNの宮崎記者、後者が日経の滝田編集委員の著である。本書(2020年発表)は、共同通信社で当時在北京の中国総局デスクだった早川真氏の手になるもの。実際に2020年1月を含め、何度も現地に足を運んだナマの情報である。時系列的に見ると、

 

2019年12/27 原因不明の肺炎が、武漢の病院で確認

12/30 武漢市衛生健康委員会が、肺炎患者多数と発表

12/31 同委員会が「華南海鮮城(市場)」に肺炎の原因があると発表

 この時点では「ヒトヒト感染の可能性は低い」とされたが、ネット上には「本当か」と悲鳴のような書き込みが溢れた。

 

        

 

2020年1/1 武漢公安局が、SARSが出たとの情報発信をした医師ら8名を摘発

1/3 同委員会が59人の肺炎患者が出たことを確認

1/9 新華社が、新型コロナウイルスが原因と報道

1/10 「春節」を先取りした大移動が始まる

1/11 最初の死者が発生、海鮮城に出入りしていた男性

1/18 武漢市内で、数万人が参加する大宴会開催

1/20 感染症第一人者が「ヒトヒト感染が起きている」とTVで公表

1/23 武漢市一帯の「封城:ロックダウン」が開始

1/24 (武漢での医療崩壊を受け)人民解放軍医療部隊、武漢に到着

1/27 中国政府、海外への団体旅行を禁止

1/28 WHOテドロス事務局長、北京で中国政府の対応を賞賛、各国の過剰反応を戒め

1/30 イタリア政府中国との航空便を停止、中国政府は反発

 

 もう1月中旬には患者が病院から溢れ、医療機関でのクラスターも頻発していた。しかし習大人のミャンマー訪問などあって、中央政府の対応も後手に回ったとある。10日で病院を作ってしまう荒業もできたのだが、やはり隠ぺい体質が問題を大きくした。WHOも非難されてしかるべし・・・ですよね。