新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

ますます必要なメディア・リテラシー

 昨日廣淵升彦著「メディアの驕り」を紹介して、新聞・TVの偏向報道が多くなり、市民は判断力を持たないといけないとの思いが強くなった。「メディア・・・」は2017年発表だがその1年後に、産経新聞出身のジャーナリスト高山正之氏と、NHK出身の自民党参議院議員和田政宗氏が対談して「偏向報道」を告発したのが本書。

 

 産経新聞は大手紙の中では最も安倍政権寄りのスタンスで、朝日新聞とは「不倶戴天の敵」の関係にある。そこで「朝日は新聞の体裁をとった怪文書」という発言もでる。

 

・日本軍の煙幕を「毒ガス」とした

サンゴ礁を自ら傷つけたヤラセ

慰安婦問題で吉田某の意見を丸呑みした虚報

 

 などで躓き、朝日新聞は部数を落としているとある。2017年の自民党総裁選で、安部候補に詰め寄ったものの「慰安婦虚報問題」で切り返され、人信が離れたらしい。その結果取材費が削られ、利権も失った。「アベノミクスは多くの人を不幸にした」との報道は、自分たちが貧しくなった腹いせだということ。もともと朝日は父親も祖父も朝日の人だった記者の多い「世襲企業」、北朝鮮金王朝と変わらないと筆者たちは言う。

 

        

 

 加えてNHKのアナウンサーだった和田議員が「昔GHQ、今NHK」とその無茶ぶりを暴露する。GHQ支配時代に現在のNHKの根幹ができ、米国等のプロパガンダ報道をするようなスキームにあるという。大河ドラマにしても近年のものはちゃんとした原作に沿っておらず、テーマを決めストーリーを脚本家に任せるとある。あるプロデューサは「NHKがやれば、それが歴史になる」と豪語した。

 

 どういう意味かと言うと、GHQNHKを使って日本人に自虐史観を植え付けたということ。ただ、NHKの「暴走」が最近激しくなってきているのは、僕の感覚からすると米国プロパガンダとは違うように思う。むしろ中国の影響を受け、習大人に配慮しているように見える。

 

 和田議員は最初は「みんなの党」所属、その後「希望の党」などが入り乱れた政局を生き延びているから、その時の「離合集散」のウラ話は面白かった。ちょっと行き過ぎだと思ったのは、731部隊ロッキード事件は(丸々の)でっち上げという話。それらを含めて、ちょっと右寄りすぎるかなとの印象。

 

 朝日新聞NHKは身近なメディア。それらについてもこのような批判があることを知り、ますますメディア・リテラシーを磨くべしと思いましたね。