新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

すっかり「宅呑み」になった僕らに

 「COVID-19」禍は、僕らの生活をすっかり変えてしまった。海外出張&旅行が出来なくなったのは残念だが、マイレージで貰うワインで研鑽(!)を積み、レストランが閉まった影響で手が届くようになった食材を試すこともできた。加えて今年になってからは、<KALDI>や<成城石井>だけではなく<COOP>でもいいワインを売ってくれるので、ワイン宅呑みの機会がぐっと増えた。

 

 家内は和牛ステーキにボルドーの赤、僕はトマト&モッツアレラサラダにアルザスの白(当然リースリング)が大好きである。イタリアの島のワインも、スペインのリオハのものも、大体この料理に合わせれば・・・という勘は養えつつある。しかしちゃんと系統だった知識を得るのも重要と、本書を買ってきた。本書監修の井手勝茂氏は(一社)日本ソムリエ協会認定のシニアソムリエ、ワインレストラン<Dominus>のオーナーでもある。

 

 ワインの種類や原料となるブドウの品種などの基礎知識に始まり、ワインの貯蔵や開け方、どんな料理に合わせるかの「宅呑み」指南、ワインのカタログ、「外呑み」のためのマナーやワインの選び方が紹介されていて、最後に世界中のワイン産地の地図が添えられていた。

 

        

 

 ワインのカタログについては、とても興味深いのだがお値段が(当家では手が出ないほど)高い物がほとんどで、ちょっと残念。まあ「この料理にはこの産地・ブドウのものがいいよね」と思って、類似のお手頃ワインを探す手助けにはなる。

 

 ワイン産地MAPは、「COVID-19」禍が治まったら家内と尋ねてみたい場所でもあるので、旅行企画の参考として重宝するだろう。「現地のものは現地で呑む」のが一番美味いはずだから、ボルドーに行ったらどの辺りに宿をとるかの参考にさせてもらう。

 

 あと興味深かったのは、欧州中心に各国のワインランキングの標準化が進んでいること。例えばイタリアでは2008年までは、

 

 DOCG > DOC > IGT > VdT

 

 の格付け(左ほど高級)だったものを、2009年から

 

 DOP > IGP > Vino

 

 にした。これは個々の名称こそ違え、フランス、スペインやドイツも同じ3段階評価にしているから、EU内での統一が進んだと言えるだろう。こういう標準化が欧州圏だけでなく世界的に広まることは、他の分野同様僕には嬉しいことですよ。