先々月「ワインの便利手帳」、先月「イタリアの食卓・おいしい食材」を紹介した。僕ら夫婦も、ただワインをガブガブ呑んでいる時代は終わり、本当の美味しさを味わう(人生の)時期に来ている。だから勉強を始めているのだが、ワインの選び方・味わい方を知り、それに合わせる食事を「美食先進国」フランス・イタリアに学ぼうとして読んだものだ。
ただその食材のうち、チーズは種類が多すぎて訳が分からない。しかもイタリア本だったので、フランスその他の地域のチーズ情報が得られなかった。そこで探してきたのが本書。1993年発表の内容を文庫化したもので、フルカラーの200ページに400種近いチーズが写真入りで紹介されている。全体の70%がフランス産、15%がイタリア・ギリシア産で、スペイン・ポルトガル産が5%、残りが北欧・ベネルクス・ドイツ産となっている。冒頭、熟成度、加熱の有無、カビのタイプや表面処理などの違いで、12種の分類が示されている。
個々のチーズについて、これらの区分や原料(牛・ヤギ・羊・水牛)、脂肪分などの他、合わせるワインが示してあるのが嬉しい。総じて生産地付近のワインが合うとされているが、白・赤・ロゼのどれが合うかくらいでも十分な情報。
美味しい買い方、保存法、食べ方のアドバイスもある。
・「いい店」に行く、いい店とは清潔でその場で切り分けてくれる店員がいること。
・チーズの選び方に近道はない。場数(舌数?)を踏んで、実際に試してみること。
・必要量を買うこと。硬いチーズは日持ちするが、賞味期限は確認するべき。
・保存期間は、乾燥させないかつ窒息させないことが重要。
・保存は軽い蝋引きの紙などにくるんで、野菜室がベター。
・食べる30分前には冷蔵庫から出す。
・皮と中身が各人に等分になるように切り分ける。
・皮は取り除くことが多いが、食べても害はない。
・いいワインとパリッと焼けたパンを必ず用意する。
そうすることによって「三位一体の食卓」が完成すると、本書はいう。まだブリーやモッツアレラ、ゴーダ、シェーブルくらいしか馴染みのない当家ですが、本書を参考に食卓改革に努めますよ。いただきま~す。