2021年発表の本書は、昨年「日本人は何も知らない」を2冊紹介した「めいろまさん」こと谷本真由美氏のシリーズVol.3。前作では「COVID-19」禍における各国の対応を含めて、日本メディアが伝えていない海外事情を紹介してくれた。本書では、欧州事情を中心に、
・東京オリンピックの評判
もともと貴族の祭典だけに、各種目を知っている人は少なく、大衆の興味は惹かない
・意外な日本人気
富士山などではなく、普通の街中の映像が受ける。とても清潔でゴミもないこと
・各国国民性の大嘘
イタリア男は貧乏なのでナンパの余裕なし。ドイツ富裕層はとても支出に細かい等
・環境問題の予想外れ
10~20年前の予想(ビクトリア山から雪が消える、海面上昇2m)が全部外れた
などのエピソードが紹介されている。
同じテーマで3冊目ともなると新ネタも少ないのだが、面白かったのは最後の章。冒頭「日本人をだますのは簡単」とある。筆者によれば「日本の学校では情報の読み方を体系的に教えていない。日本人は、与えられた情報のウラを考えずにそのまま信じてしまう」とのこと。英国では小学校からニュースを読む時に、
・誰が、何のために発信しているか
・発信者の信用はどうか、お金の流れはどうか
・想定読者は誰か、モノを売りたいのか、政治的な動きなのか
などを考えて吟味することを教えられるという。要するにメディア・リテラシー、情報リテラシーを磨かないと、フェイクニュースに抵抗できないわけ。これは理解できるのだが、一方で英国に移ってきた人たちが過剰なマウンティングをするともある。多くの人が「盛る」ことをしているので、それを鵜呑みにしない教育が必要だったと言えるかもしれない。
もちろん筆者のように世界に羽ばたく人には、上記リテラシーは必須です。仰るように「英語での発信力」も必要ですよ。