2021年発表の本書は、ベンチャー投資家山本康正氏のデータ活用論。筆者はBTMU(現MUFG)からGoogleを経て、日本企業やベンチャーキャピタルへの助言も行っている。そんな彼の、①情報の集め方、②活かし方、③偽情報の見抜き方が記されている。実は③を期待して買ったのだが、記述の分量としては、①50%、②40%、③10%くらいのもの。
③の結論としては、情報はできるだけ源泉(1次情報)まで遡って確認することとある。これは真実で、情報は川下になるほどバイアスがかかったり、虚偽が交り込んだりする。日本語で得た情報でも、できれば原語にあたった方がいい。そのためにも英語の鍛錬は欠かせないという。

投資家としての筆者は、日経・WSJ・FTの紙媒体を中心に日々の情報集めをしている。興味を引く記事・事項があれば、それを深堀するために知己に問い合わせる。Facebookでは上限一杯の5,000人とコンタクトできていて、貴重な情報源も少なくない。上記3媒体は信用できる情報源なのだが、メディアもビジネスなのでバイアスがかかることはやむを得ない。それを補正するには、別の視点からの助言が必要なのだ。
テレワークの時代とはいえ、展示会などで実際に目にし、手に触れることは貴重な機会。加えて多様なコミュニティに顔を出して、そこのキーマン(他のコミュニティとの接点となっている人:ストラクチャル・ホール)を探し出して親交を深めれば、コミュニティが有効活用できるとある。もちろん、こちらからもキーマンらに、彼らが興味をもちそうな情報を流して、Give & Takeの関係を築くべきだ。
書籍の選び方も、まず「はじめに」「おわりに」を読んで、その書の目的や視点を把握して購入を決めたり、読み方を決めるとある。偽ニュース対策(リテラシー)について、もう少し教えて欲しかったのですが、筆者の主張には(英語のところだけ除いて)賛同します。