昨日に引き続き、人類の未来に大きく影響する技術の話。2021年発表の本書は、国際政治経済学者浜田和幸氏の「サイボーグ化最前線レポート」。お騒がせ人イーロン・マスク氏の生い立ちからプライベートまで紹介してくれるのだが、その部分はともかく<IoB:Internet of Bodies>の技術や応用がどうなっているかは、極めて興味深い。
PayPalやテスラ、スペースX、スターリンク、Xとマスク氏の挑戦は広がるばかりだが、彼は一時期<Open-AI>にも出資していた。さらにIoB分野にニューラリンクを立ち上げて進出した。IoBとは、生体にセンサーなど埋め込んでインターネット接続すること。彼がなぜこれを始めたかというと、
・このままでは人間はAIに勝てない
・人間もインターネットにつながってAIなどを使いこなせないといけない
との危機感からだとある。

IoBには3つの段階がある。
1)データの定量化
身体上のデバイスから、生体データを標準化して収集する。集積して医療ノウハウ等に活かすのだが、例えばワクチン接種(&ワクチンパスポート)も定量化に含まれる。
2)体内内蔵化
直接センサー等を身体に埋め込む。例えば心臓のペースメーカーはその先行例。身体に貼るシールや刺青に似せたデバイスは、すでに実用化されている。
3)ウェットウェア化
デバイスを脳に埋め込んで、より深いデータリンクを可能とすること。サルやブタで実験が進んでいて、思念だけで何かをしたり、電波を直接脳で受け取って満足(*1)を得ることもできる。
重度な障害を負った人の社会参画や、加齢による物忘れへの対応(*2)など有益なことはもちろんだが、軍事分野での活用も当然考えられる。
・テレパシー様の脳と脳とで(友軍兵士と)する会話
・敵兵の脳に直接呼びかけて投降させる戦術
などがオバマ政権で研究されていたとある。
マスク氏は「10年で全ての人類にIoBインプラントを普及させたい」と語ったとありますが、まず社会的に重要な人、大富豪からでしょうね。サイボーグ化した上級市民が(カネがなくてサイボーグになれない)下級市民を支配する社会になりそうな気がします。
*1:例えば好きな音楽を脳で直接聴く
*2:インターネットが記憶をバックアップしてくれる