新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

激情に駆られないように

 このDVDは「NCISニューオリンズ」のシーズン4。前シーズンで最初から仇敵同士だったハミルトン市長の悪事を暴いて逮捕し、貧しい人が暮らす地区を守ったドゥエイン捜査官だが、本部やFBIからの監視は一層厳しくなった。DCからはセラピストまで派遣されてきて、週1回のセラピーへの出席を強制される。理由は「優れた捜査官だが、私情に駆られると我を忘れ、法律すら忘れてしまう」からである。

 

 長く付き合っているクリスや、サイバー犯罪から足を洗わせてもらったパットンはともかく、他の捜査機関からやってきたソーニャやグレゴリオの目からは「手続きを踏まない直情型の捜査官」とも見えて「チームは家族だ」とするドゥエインとの間に隙間風も吹く。

 

        

 

 特に「ストリート・キッズ」の1篇では、スリや故買で生き延びている子供たちを捕まえたのに、ドゥエインは地元警察に渡すことを拒む。それは「彼らの将来にキズがつくから」という。弱い者に圧力がかかることを徹底的に忌み嫌うのが、彼の特徴。それゆえに「常識的」な捜査が出来ず、本来NCISの捜査権が及ばないことにも手を出してしまう。激情にかられる度合いでいえば「ハワイ5O」のマクギャレット少佐と同程度だろうか?

 

 このシリーズの特徴は、ドゥエインが様々な圧力を受けて自己を矯正できるかという点にある。またチームがそれをどう受け止めるかも見どころだ。意外なことに、荒事が苦手のセバスチャンが一番ドゥエインに近い行動を示すこともある。

 

 最初悪役だった人物が味方になってくれるのも、NCISの常套手段。本シリーズではFBIのアイズラーかな。グレゴリオの上司だったころはドゥエインの邪魔をしていたが「最後の戦い」ではみずから無謀な囮捜査をしてチームに助けられる。

 

 毎回のように名のある(らしい)ミュージシャンが登場するのも、このシリーズの特徴。ジャズの音楽に乗って、虐げられた人たちの生活が生々しく描かれるのが、他のNCISものとの違いのようです。