新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

移民問題の整理と移民の必要性

 2022年発表の本書は、日本国際交流センター執行理事である毛受敏浩氏の「移民受け入れのススメ」。1960年代には日本人の平均年齢は30歳以下だったが、2022年現在48.6歳。日本社会の衰退を防ぐため、移民は必要不可欠だと筆者は主張する。

 

 人口減少社会になることはずっと以前から分かっていたが、

 

・1999年小渕内閣へ「移民政策へ踏み出すべき」との提言

・2008年福田内閣で「移民1,000万人受け入れ」表明

・2012年安倍2.0政権で「50年後に人口1億人維持」が目標に

・2016年同政権では「1億総活躍」にすり替わる

 

 と変遷し、人口維持のために地方創生に注力してきた。しかしそれも失敗に終わる。

 

        

 

 古代には渡来人が3割いたともされる日本で、移民が受け入れられないはずはないと筆者はいう。あるべき移民政策として「人口や労働力確保など国の利益のために、社会に混乱を招かない配慮をしつつ、貢献する外国人を選択して居住を認める」を挙げている。移民推進の筆者には数々の批判が寄せられているが、それに対して、

 

・日本人の低賃金化をもたらす ⇒ 可能性はあるが経済全体としては利がある

社会保障にただ乗りをする ⇒ そういう例はあるが、受けるべき福祉を受けていないことの方が多い

・ロボットで代替え可能 ⇒ 純粋に労働力ならそうだが、経済全体を考えると無理

 

 と反論している。

 移民問題の先駆者ドイツでは2004年に移民法が成立、難民に寛容なこともあり外国人定住者が増えた。隔絶したコミュニティを作るのは例外なくムスリムで、これをドイツ語教育義務化・グリーンカード導入・移民委員会発足などで改善しようとしたが「異文化共生は失敗」とメルケル首相が2016年に宣言した。

 

 それでも日本には移民が必要で、政府もステルス的に移民を合法化し始めているとある。やるべきことは多く、まず日本語教育の充実・二世教育の強化などから始めるのだが、円安で日本自体の魅力も減ってきている。

 

 筆者は2020年代のうちにめどが立たないと、日本の衰退は歯止めが効かないと言います。さて・・・?