新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

フェミニズム運動家の危機

 2000年発表の本書は、先月「家族の名誉」を紹介したロバート・B・パーカーの<サニー・ランドルもの>第二作。作者は<スペンサーもの>で有名だが、そのファンである女優ヘレン・ハントが自ら出演したいと女性探偵ものの映画の原作にとねだり「家族の名誉」が出来上がったらしい。映画の話は立ち消えになったが、作者はサニーと周辺の人たちが気に入って、シリーズ化した。合計6作品が出版されている。

 

 今回のサニーの仕事は、フェミニズム運動家メアリー・ルーのボディガード。彼女の運動に敵意を持つ者もいて、彼女はストーカーに悩まされている。しかし彼女自身嫌味な女で、サニーも依頼人との関係に苦労する。サニーは難なくストーカーの正体をつかむのだが、メアリ・ルーは「そんな男は知らない。余計なことをするな」と言う。

 

        

 

 警護を続けるうち、メアリ・ルーのアシスタントが殺された。姿かたちがよく似ていて、間違って殺された可能性がある。それを問いただすと、メアリ・ルーはサニーを解雇した。しかしサニーは、事件から手を引かない。ただ、サニーの姉エリザベスは夫の浮気が原因で、出て行った夫のストーカーになってしまった。サニーは実姉夫婦のトラブルも抱え込んでしまう。

 

 レズビアンのメアリ・ルーには秘密が一杯ある。サニーは彼女のことも考えながら、良かれと事件を解決しようとするが、ストーカーだった男が拳銃自殺をして、警察としては事件を終わらせた。納得できないサニーは、危険を顧みずころされたアシスタントが探っていたという売春組織の構成員に近づく。それは、前作で世話になった売春組織の元締めトニーとの確執を起こしかねないことだった。トニーには、引き金を引くことを楽しんでいるガンマン、タイ・ボップが付いている。

 

 サニーの周りには、味方になってくれる裏家業の連中が多くいます。元夫のリッチーは大物のギャングの息子、友人のスパイクはゲイのタフガイ、いい仲のイケメン刑事ファレル、セラピストのジュリーなどなど。「Who done it?」の楽しみもあるハードボイルド、面白いので第三作以降も探してみることにします。