2002年発表の本書は、これまで2作品を紹介してきたロバート・B・パーカーの<サニー・ランドルもの>の第三作。前作「二度目の破滅」でもフェニミズム運動家に対するストーカー対策を依頼されて事件に巻き込まれた女私立探偵サニー・ランドルだが、今回も元夫のストーカーから護ってほしいとの依頼を受ける。
ただ、今回のストーカーは只者ではない。精神科医としての技量で多くの女性患者(女性しか患者にしない)を虜にしてきた男メルヴィン博士である。被害を訴えてきたのはベストセラー作家のメラニー。彼女もメルヴィン博士を受診して、束縛され結婚に至っている。しかし強まる束縛だけでなく、博士とその仲間たちにおもちゃにされそうになって彼のもとを逃れた過去がある。

メラニーはボストン在住だが、新作のキャンペーンで米国の大都市を巡ることになっている。その間の護衛が、サニーへの依頼だった。共に大都会のホテルやキャンペーン会場の書店を巡るうち、メラニーは過去の経緯を少しずつ話してくれたが、行く先々でメルヴィン博士が姿を見せる。パニックになりかけたメラニーを護るだけではだめだと判断したサニーは、護衛の日々の合間を縫って、別の精神科医に相談し逆襲を考えた。
ただ私生活でのサニーも試練の中にある。一時期付き合っていた警官ブライアントからは恋人ができたと言われ、別れても時々あっていたリッチーは、新しい女が出来て結婚したいという。それにつけ、愛犬のロージーを引き取りたいと言われて、サニーは怒る。
サニーは変装してメルヴィン博士の患者となり博士の弱点を探るのだが、巧みな誘導で(正体こそバレないが)男たちが離れていく寂しさを告白して、泣きじゃくってしまう。そんな苦労をしながらつかんだ博士の患者リストを追っていくと、不審死をした女性が見つかった。
登場シーンは多くないのですが、メルヴィン博士の恐ろしさがジワリと伝わってきます。こんな怪物をサニーがどう対峙するのか?とてもサスペンスフルな作品でした。第四作以降も探しますよ。