新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

お騒がせ男の本音トーク

 2025年発表の本書は、2024年の総選挙にあたり政界引退を表明した、維新の会の足立康史氏の「ぶっちゃけトーク本」。彼は通産省のキャリア官僚だったが、東日本大震災を機に退官。日本維新の会から立候補し、12年間衆議院議員を務めた。主張には面白いところもあるのだが、ちょっと型破りなお騒がせ男のイメージが強い(*1)。

 

 大阪出身であり大阪9区を地盤としていたし、官僚を21年も務めて政策(課題・急所・進め方)にも詳しい。飛び込んだ維新の会という舞台には、多くの問題があった。もともと地方政党大阪維新の会が始まりで、そのころの人たちは自民党大阪府議(例:松井元代表)や市議(例:馬場前代表)が中心。自民党内の抗争のようなもので、彼らの目標は「自民党大阪支部の改革:旧勢力の駆逐」にあった。

 

        

 

 その戦いに勝利し全国政党を目指すことになったが、国政維新の会と大阪維新の会の上位に日本維新の会が位置する複雑な関係となった。自民党の構造的な課題を指摘していた者の、ある程度の利権ができると同様の体質になった。馬場前代表が「第二自民党」と発言したのも、橋下元代表が「飲み食い政治の成れの果て」と批判した原因もそこにある。多くの政党を流れ歩いた前原共同代表のことを「(政党潰しの)疫病神」と批判し、吉村代表のことを「どうでもいいことにこだわり、国政が分からない、演説が上手いだけのイケメン」と切って捨てる。

 

 2011年に維新の会に加わった筆者の眼中には(経産省の先輩でもある)堺屋太一氏のことも、初期の政策中枢だった浅田均氏のこともなく、2人についての記述はない。また他党の政治家などについての批判も、派手な言葉は使っているが新味は少ない。

 

 維新の会を中心に、既存政党/政治家を片っ端からぶった切った暴露本のようなものですが、それなりに面白かったです。ただ文中自分のことを「足立君」と呼ぶなど、公式な書籍としてはふざけすぎているような気もします。帯にあるような「政治評論」では決してありません。

 

*1:やや極端だが、先読みが出来てはしっこい経産官僚に見える