新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

科学捜査ドラマの決定版

 何度かNCIS(ネイビー犯罪捜査班)の紹介をしているが、同じCBS系列で少し先輩格の捜査ドラマと言えば、CSI(科学捜査班)が挙げられると思う。両者はこの種のドラマのTOP争いを長く繰り広げた。

 

CSI:2000~2015 ラスベガスの科学捜査チームの活躍を描く。CSIマイアミなどのスピンアウトあり。

 

NCIS:2003~現在 ワシントンDCの海軍関連の捜査チームの活躍を描く。NCISロサンゼルスというスピンアウトあり。

 

 実は、僕はCSIは見たことがない。一度機会があればとは思うのだが、機上で見る機会もなくなりDVDを買うまでの意志もない。ところがCSIノベライゼーションを先ごろBook-offで見つけて3冊買ってきた。本書はその中で一番古く、2005年発表のもの。もともとは複数のライターが書いた短編シナリオなのだが、ノベライゼーションを依頼されたミステリ作家マックス・アラン・コリンズは、原作の雰囲気はそのまま、ちゃんとしたミステリーとして読めるように本書を仕立てたと解説にある。

 

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 舞台は歓楽の街ラスベガス、昆虫学の科学者であるグリッソム捜査主任のもとに血液分析、AV分析、毛根・繊維分析、元素分析などの専門家が集い、普通の人(捜査官)なら見逃すような些細な証拠から、事件解決をするというもの。

 

 本書では街はずれのカジノホテルで、ジョン・スミスと名乗る宿泊客が射殺された。ウェイターが現場を目撃し方々にある防犯カメラにも映像が残っているのだが、被害者の正体も犯人も容易には分からない。ほぼ同時に街では15年前に失踪した男の射殺体も見つかる。死体は完全にミイラ化していた。グリッソムらの捜査班はこの2つの遺体を調べるのだが、なんと後頭部に2発、1インチ離れて上下に25口径弾を撃ち込まれているという共通点がある。

 

 ミイラ死体からの指紋やDNA、両現場からの薬莢や銃弾、ホテル現場に残された犯人のものと思われるゲソ痕、カメラ映像から被害者と犯人が出会うシーン、犯人が扱ったと思われるスロット機やATMなど調べる対象は一杯ある。

 

 NCISに比べると捜査陣がみんな科学者なので、アクション度は高くない。しかししっかりとしたミステリーでした。まずのこりの2冊を読んでみて、DVDに手を出すか検討します。