新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

紀行・その他

五木流、人生100年時代の計

昨日、大前研一氏の「人生100年時代、自ら働き方改革をしてエクセレント・パースンになれ!」という書を紹介した。プロとしての生き様には参考になることも多いのだが、本書はもう少し内省的な「100年時代の計」。 著者の五木寛之氏は(紹介するまでもないが…

迷える子羊が歩く美食の道

昨日「添乗員が参照するヒミツの参考書:魅惑のスペイン」を紹介した。面白かったのだが、バスク地方を始めとする北スペインの記述がないのが、残念だった。そこで、ちょっと趣旨は違うけれど北スペインを歩いた記録である本書を探してきた。著者の小野美由…

アフリカはピレネーより始まる

本書は、先月「ドイツものしり紀行」を紹介した紅山雪夫氏の紀行、スペイン編。1997年トラベルジャーナル社より出版された「スペインの古都と街道」を改題、文庫化したものである。馴染み深いドイツと違い、僕ら夫婦のスペイン体験は一度だけ。 マドリードの…

エトルリアの里でワインを飲み歩く

折角「With COVID-19」の雰囲気が北半球には広がってきたのに、ロシア・ウクライナ紛争で海外旅行のハードルがまた増えた。そろそろ欧州へ行きたいな、イタリアやスペインが・・・と思って<HIS>のサイトを見ると、航空料金が以前の1.5~2倍になっているよう…

父なるライン、母なるドナウ

本書は以前「フランスものしり紀行」、先月「ヨーロッパものしり紀行」を紹介した紅山雪夫氏の紀行シリーズ・ドイツ編。ローマ時代の遺跡(今でも使われているものも!)や中世の城塞、街並みを訪ねて回る旅行案内である。原本は1993年にトラベルジャーナル…

よりDeepな旅行のために

著者の紅山雪夫氏の紀行本は、何冊も持っている。日本旅行作家協会理事を務めた人で、特に欧州への旅行の助け(期待を膨らませることも含めて)となる著書が多い。本書の内容は、1991年に<トラベルジャーナル誌>に掲載されたものを再構成して文庫化されて…

女王の三大戯曲、第三作

先々月「ねずみとり」、先月「検察側の証人」を紹介したミステリーの女王アガサ・クリスティの戯曲第三弾が本書。1956年の作品で、これもロングラン公演を達成しているし、日本でも上演されていると解説にある。 構成は3幕4場で、場面はケント州の邸宅<コ…

女王の三大戯曲、第二作

ミステリーの女王アガサ・クリスティは、小説の他にいくつかの戯曲も遺した。小説のTVドラマ化や映画化も多いのだが、もともと戯曲として書かれたものにはそれなりの風情もある。1950年代、女王の地位を不動にし水準以上の力作を作者が書いていたころ、全7…

勝負師の心理学・哲学

先月紹介した「麻雀放浪記」。これは実話をもとにしたフィクションだが、実際に「玄人(バイニン)」と呼ばれる世界で、20年間無敗の伝説を持つのが本書の著者桜井章一氏。どのような世界だったかは、上記フィクションを参照いただくとして、途方もない金額…

半世紀以上続くロングラン戯曲

本書はアガサ・クリスティの手になる、いくつかの戯曲のうちでも最高とされるもの。1952年に初演されてから、20世紀中に2万回以上上演されたという。舞台はロンドンから50kmほど離れた田舎町、古民家を改装してマンクスウェル山荘という民泊を始めたモリー…

親父が産まれた年の東京市

親父は1927年(昭和2年)の今日産まれた。その頃僕が通っているオフィス(丸の内・青山)あたりはどうなっていたのだろうか?良く通う霞ヶ関や大手町には何があったのだろうか?そんな思いで、いつの事だったか覚えていないが買ったのがこの「古地図」であ…

鉄道王国ドイツの春

昨年からの「COVID-19」騒ぎで、すっかり海外出張・旅行に縁遠くなってしまった。もちろんフライトは飛んでいるし、検査結果がないと入れてくれない国ばかりではないのだが、心理的にも旅行に出ようという気にならない。僕が最初に行った外国は米国の西海岸…

異文化だからこそ、大好き

僕ら夫婦の国内での旅行先と言えば、一番多いのは函館、次は宜野湾である。沖縄には10余年前に仕事で行って、それからちょくちょく通うようになった。一時期中国からの観光客(ビザ不要のエリアなので)に締め出されていたのだが、昨年3年ぶりに1週間の滞…

殺人犯を追いながらグルメ

一昨年亡くなった内田康夫は多作家である。浅見光彦、信濃のコロンボ、岡部警部などのシリーズもののほかノンシリーズのミステリー、紀行文など作品は140冊にも及ぶ。累計発行部数は2007年の時点で1億部を越えている。ミステリー作家というと自らの私生活は…

英国諜報界の語り部

昨年末、スパイ小説の巨星が墜ちた。代表作「寒い国から帰ってきたスパイ」を始め、リアルな現代の諜報戦を描き続けたジョン・ル・カレである。晩年はハンブルグとコーンウォールで過ごし、時にはベルンから奥に入ったスイスの山荘でも暮らしていたらしい。…

在日中国人が見る中国

2018年発表の本書は、北京大学・香港中文大学への留学経験のあるジャーナリストの著者が、70万人もいるという在日中国人にインタビューしたものである。かつて在日中国人といえば、中華料理店のコックに代表されるようなエッセンシャルワーカーのイメージが…

遥かなり欧州大陸

「コロナ禍」のおかげで、世界中の国際線のフライトは90%近く運休・減便になってしまった。海外旅行が大好きな僕たち夫婦も、1月のローマ旅行以降海外に出掛けることができない。僕らは結婚してしばらくは旅行会社のツアーを利用していたのだが、慣れてく…

広尾発枕崎行き、13,000余キロ

「時刻表2万キロ」という国鉄全線乗りつぶし紀行でデビュー(?)した作者は、一流出版社の役員を辞して次々と新しい鉄道の挑戦を行った。本書もそのひとつ、国鉄の最長一筆書き切符を購入し、実際に13,000余キロを完乗する話である。 今のJRでもそうだが、…

ミステリ作家への指南書

高校生の頃、本気でミステリー作家になろうとしていた僕は、普通の小説のほかにも関係しそうなものを乱読した。人はどうやったら死ぬのか、気を失うのかといった医学関係のもの、犯罪を犯しても罪を免れたり、軽く済ませる法律関係のもの、銃器や爆発物の作…

周遊券と急行列車の想い出

当時の国鉄総営業キロ数は、約20,800km。これを全線乗り潰すという愚挙とも快挙ともつかないことに挑戦する話を聞いたのは、大学に入った時。クラスメートの一人がそれを目指していて、高校まではほとんど遠出をしたことのない僕には全く新しい世界だった。 …

泥縄のイタリア勉強

昨年6月に夫婦でローマ旅行に行ってとても良かったので、また行くことにした。今度は冬、初夏とは違うローマを見物したい。その前にちょっとイタリア事情を勉強しておこうと思って、本書を買ってきて読んだ。 2003年の出版でやや古いが、かの国は3,000年の…

ロワールとプロヴァンスへの誘い

家内は大学で第二外国語として「フランス語」を選んだそうだ。(僕はドイツ語) そのころを思い出しながら、NHKの「旅するフランス語」を視ている。舞台は9月までの放送ではリヨン、10月からはトゥールーズとのこと。いずれも美食で知られる街である。 僕ら…

二度目のローマに行く前に

今年6月に行ったローマ旅行が大変良かったので、只今二度目のローマ旅行を企画中である。カタール航空のビジネスクラスも良かったけれど、6泊テルミニ駅前のホテルに泊まって1週間有効の市内交通乗車券で方々歩き回った。 https://nicky-akira.hatenablog…

さよならトーマス

・・・といっても機関車の話ではない。先月倒産した英国の旅行代理店の老舗「トーマス・クック社」のことである。ちょうど先月英国に出張していたこともあり、感慨深いものがあった。出張時にも「Brexit」の議論をしていたので、その余波がついに企業倒産の引き…

不器用なドイツ人

ドイツ好きの僕たち夫婦、この数年平均年一度はドイツ旅行をしている。アパートメントの部屋や列車の中、ショッピングセンターにも面白メカは一杯ある。最初にドイツに仕事で滞在していたころ、窓の開け方を見てびっくりした。レバーが下に向いていると閉ま…

シュトゥットガルトを食べる

13あるドイツ連邦の州で南ドイツと言えば、一番有名なのはバイエルン州。ミュンヘンを始め多くの観光地もあるが、ダイムラーやシーメンスなどの重工業も盛んなところである。その西隣、バーデン・ヴュルテンベルグ州の州都がシュトゥットガルトであり、この…