政治・経済書
2025年発表の本書は、2024年の総選挙にあたり政界引退を表明した、維新の会の足立康史氏の「ぶっちゃけトーク本」。彼は通産省のキャリア官僚だったが、東日本大震災を機に退官。日本維新の会から立候補し、12年間衆議院議員を務めた。主張には面白いところ…
2025年発表の本書は、社会批評の著述家物江潤氏の「有権者自立論」。2024年の兵庫県知事選挙で、失職した斎藤前知事が下馬評を覆して再選を果たした。SNSが猛威を振るった選挙を見て、筆者は民主主義の危うさを感じた。 兵庫県知事選挙では、パワハラ等で旧…
朝日新聞取材班は大阪・関西万博の推移を取材し、開催前の2025年2月に本書を発表した。まだ始まってもいない時点でも、ある程度結果は見えていたようで、「二度目の万博」は大阪維新の会から始まる改革ムーブメントを終焉させたとの主張である。 始まりは「…
2024年発表の本書は、日本保守党百田尚樹氏の「日本社会の歪み論」。今年初めのNHK日曜討論で「男女共同参画3兆円、子ども家庭庁7兆円の予算はムダ」と切り捨て、女性司会者を呆然とさせた作者だが、その主張の原点は本書に顕れていると感じる。 作者はニ…
2023年発表の本書は、朝日新聞で台北支局長などを務めたジャーナリスト野嶋剛氏の台湾レポート。清国が軽く見て日本に割譲した台湾島を、日本政府は近代化した。客家や福建省人がやってきて本省人として多数を占めた(現地民族は人口の2%ほど)が、WWⅡ後蒋…
2024年発表の本書は、元日経ソウル支局長のジャーナリスト鈴置高史氏の現代韓国レポート。分断深まり、政権交代のたびに前大統領が訴追される(または自殺する)ような国だが、筆者はそもそも民主国家ではなく「半導体などが作れるものの、メンタリティは李…
2020年発表の本書は、自ら「選挙マニア」と称する宮澤暁氏の、選挙面白事件簿。日本の第二次世界大戦後の9つの、主に地方選挙で起きた珍事を集めたものだ。珍事と言ったが、基本的には公職選挙法違反、もしくは違反か否かのグレーゾーンの話だ。 総じて有権…
2023年発表の本書は、何冊か紹介した気鋭の政治学者白井聡氏と、思想史に名を残す内田樹氏の対談による「戦争できる国になりつつある日本への警告」。岸田内閣が防衛三文書改訂から防衛費増を決定して、タモリ氏が「新しい戦前」と評した時代の論説である。 …
2020年発表の本書は、経済ヤクザ出身の評論家菅原潮氏(通称猫組長)の投資指南書。「COVID-19」禍と米中戦争で、世界経済は大きな打撃を受ける。今できる最善の投資は「投資しないこと」だというのが本書の主張。 高校時代から株式に興味を持ち、バブルに踊…
2024年発表の本書は、東京大学名誉教授(財政学)神野直彦氏の「社会再生論」。厳しい新自由主義への批判が込められていて、それが共同体社会を壊し、格差を広げて人間相互の信頼関係を失わせたとある。財政を単なる国家の「勘定」と思っていた僕には、大き…
2023年発表の本書は、評論家佐高信氏とノンフィクション作家森功氏の対談集。日本の怪物として、 ・カルト宗教、統一教会 ・闇の帝王、許永中 ・国商、葛西敬之 ・ロッキード事件、児玉誉士夫と小佐野賢治 ・総利権化の権化、竹中平蔵(本書の紹介のママです…
2024年発表の本書は、朝日新聞出身のウェブメディア運営者鮫島浩氏の「政治とカネ論」。主張ポイントは「民主主義を守り(有権者が)政治を自分事化するために、カネの流れに着目しよう」ということ。具体的には、政治献金などしていない一般市民も税金とい…
2024年発表の本書は、健康社会学者である河合薫氏の日本の労働実態レポート。健康社会学とは、人は環境で作られ、環境を変えることもできる相互作用に着目し、人の幸福感や生きる力を研究するもの。 本来社会は、頑張ったら報われ、助けてと声を上げられる人…
2021年発表の本書は、ベテランジャーナリスト岸宣仁氏が、長年の大蔵~財務省人脈を使って財務省の人事から見る歴史を綴ったもの。作中人物のほとんどに('xx)と付記があるのは、入省年次の意味。大蔵大臣として登場する福田・大平元総理などにもその付記が…
2024年発表の本書は、京都大学大学院教授諸富徹氏(経済学)の税と社会保障改革に関する提言書。増え続ける社会保障の財源を、社会保険料に求めれば現役世代に、消費税に求めれば低所得層に大きな負担を強いる。第三の道はないのかというのがテーマ。 日本政…
本書の初版は2023年末に出版されているが、サイバーセキュリティの分野は(犯罪者にとっても)進歩が著しい。100ページほどを書き足して、2025年秋に第2版が出版された。主筆著者が交友ある山岡裕明氏であったので、出版にあたって1部送っていただいた。 …
2023年発表の本書は、朝日新聞記者原真人氏の「アベノミクス検証」。金融・財政・政治・行政・歴史・思想などを専門とする13名の論客の助けを借りて、第二次安倍政権の経済政策とそれに協力した日銀の経済・財政運営がもたらしたものは何だったかを問うてい…
1999年発表の本書は、京都大学人文科学研究所の落合弘樹氏の「明治維新行革史」。江戸時代の士農工商制度は、多くの「Tax Eater」を抱えたものだった。近代国家に生まれ変わるにあたり、税金(年貢)で生活している士族を減らすことは急務だった。しかし誰し…
2024年発表の本書は、1977年からフロリダ州で勤務した経験もある東洋大学名誉教授サム・田渕氏の日本への「喝」。米国・欧州・アジア諸国・中東/アフリカ諸国のエリートとも付き合いのある著者は、日本の病巣を外からの眼で焙り出そうとした結果が本書であ…
また秋の臨時国会で「規模ありき」の補正予算が組まれる怖れがあるが、昨日の「コロナ利権の真相」に続いて「TAX Eaterの実態調査」をご紹介したい。<日経紙>では2021年から「国費解剖」と題した連載を始め、国の予算の病巣を明らかにする調査報道をした。…
2023年発表の本書は、医療ジャーナリスト鳥集徹氏らがまとめた「COVID-19対策費の検証」。安倍政権は、国難だとして膨大な予算をつぎ込んだ。その規模104兆円は、東日本大震災の復興予算が32兆円(10年間計)だったことからも、ケタ違いの金額だったことが分…
2023年は世界で多くの選挙が行われた。そして東欧や中東での戦禍も収まらない。2024年発表の本書は、民主主義が揺らいでいる状況で未来はどうなるか、7人の知の巨人はどう考えているかのレポート。インタビュアーの大野和基氏による同様の書は、これまで何…
2024年発表の本書は、産経新聞編集委員田村秀夫氏の中国経済「数字」解説。オールカラーのグラフ60枚を駆使して、中国経済の実態を明示しようとしている。 グラフが示しているのは「中国経済のピークって、2021~2022年だったよね」ということ。「COVID-19」…
2024年発表の本書は、ご存じ日本人コンサルタントの草分け大前研一氏の「AI革命考」。「第三の波」で有名なトフラー氏とは世代を超えた交流があり、氏が存命なら今の時代を「第四の波」と称するだろうと考えて発表したもの。内容は、日本政府・産業界・教育…
本書は、国際政治学者藤原帰一教授の国際情勢時評。2020年から足掛け6年かけて朝日新聞に1回/月投稿された記事を収めたものである。この連載は10年以上続いていて、筆者によれば2020年までは「リベラルな国際秩序とは程遠い不安が世界を覆った」時期だっ…
2024年発表の本書は、以前「人を救えない国*1」を紹介した、立教大学教授金子勝氏の日本政治批判。前著では「中央には頼れないので地域分散ネットワークで日本を救う」としていた筆者だが、事態はその後もひっ迫してきて、その根源である「2015年体制」を何…
2023年発表の本書は、大衆社会の病理を観察する作家適菜収氏の「安倍政権批判」。長期政権だったこともあり故安倍元総理の批判本は数多いが、ここまで辛辣な批判を加えた書は初めて読んだ。筆者は単に安倍氏を非難しただけではなく、小沢一郎著「日本改造計…
この言葉が、全ての政治家に対する筆者の言いたいことである。2024年岸田政権下で緊急出版された本書は、多数の著書がある憲政史研究家倉山満氏の「政治改革指針」。タイトルには「自民党・・・」とあるが、立憲民主党(当時は泉代表)ら野党も含めた、国会議員…
2016年発表の本書は、米国現副大統領J・D・ヴァンス、31歳の時の「回顧録」。トランプ現象を読み解く書としてベストセラーになり、2020年には映画化もされている。アイルランド・スコットランド系移民の子孫である筆者は、アパラチア山脈の街ジャクソンとラス…
2022年発表の本書は、日本国際交流センター執行理事である毛受敏浩氏の「移民受け入れのススメ」。1960年代には日本人の平均年齢は30歳以下だったが、2022年現在48.6歳。日本社会の衰退を防ぐため、移民は必要不可欠だと筆者は主張する。 人口減少社会になる…