政治・経済書
2024年発表の本書は、ヘッジファンドなどに高度な経済分析をコンサルする活動歴30年の齊藤ジン氏が見る「世界の潮流」。この30年続いてきた先進国の新自由主義が信頼を失い、ゲームチェンジが起き始めているという主張である。 2つの大きなトレンドが、中国…
2024年発表の本書は、共同通信社編集キャップの井手壮平氏による「資本主義の先論」。筆者は慶應大学在学中、気鋭の経済学者だった竹中平蔵助教授に師事し、新自由主義経済を基本として社会人になった。 しかしジャーナリストとしてリーマンショックなどを経…
2024年発表の本書は、城西国際大学教授(観光学)佐滝剛広氏の観光文化論。政府は観光立国を掲げて種々の施策を採っているが、そもそも観光立国には「それしか売り物がない貧しい国」との一面がある。観光施設や交通機関について、外国人(二重)価格の案も…
2026年発表の本書は、デジタルジャーナリスト久保内信行氏の米国社会最新レポート。トランプ2.0政権発足から1年が経ち、American Dream が消えたのがはっきりしたとある。そもそもトランプ以前から、社会の仕組みの終わりと共通の目的意識の喪失が起きてい…
2025年発表の本書は、中国人生態ウォッチャー昭島聡氏の、新しい中国移民の実態レポート。かつての華僑とは異なり、日本社会のいろいろなところで新しいタイプの中国移民が増えている。2026年には全国で100万人に達する見込みだ。象徴的なのは東大在学中の中…
2009年発表の本書は、NY5大マフィアのひとつコロンボファミリーで「最年少マフィア幹部」だったマイケル・フランゼーゼの「ビジネス実践書」。筆者は週に数百万ドルを稼いだが、服役した後足を洗いビジネス指南をしている。 マフィアの基本思想は「カモの財…
2024年発表の本書は、リクルートワークス研究員の坂本貴志氏の日本経済未来予測。少子化と人手不足によって、企業の在り方も変わり「安い労働力」で経営することはできなくなった。その転換点でなにが起きているか、データと企業事例から読み解こうという経…
2025年発表の本書は、英国現代政治が専門の東京外国語大学教授若松邦弘氏の「21世紀の英国政治評」。権力を持つ下院は純粋小選挙区制なので、保守党・労働党の二大政党が政権交代をにらみながら対峙してきたのが英国。この2政党の対立軸は20世紀には、経済…
2025年発表の本書は、BNPパリバ証券のチーフエコノミスト河野龍太郎氏の日本経済展望。昨日の「ほんとうの日本経済」は政策の中でも作戦/戦術級のものを扱っているが、こちらは戦略級のマクロな視点に立った経済書である。 冒頭、日本経済は生産性が伸びて…
2022年発表の本書は、以前「基軸通貨ドルの落日*1」を紹介した評論家中野剛志氏のインフレを研究した経済安全保障論。ロシアのウクライナ侵攻後の例えば中東紛争は起きていない時期の論考だが、確かに筆者の予測する方向に世界は動いている。 世界的なインフ…
2025年発表の本書は、以前「憲法の良識」を紹介した憲法学者長谷部恭男教授と、棚橋桂介弁護士、朝日新聞豊秀一編集員の対談本。テーマは安倍2.0政権で成立した、安保法制(集団的自衛権)に対する集団訴訟とその判決である。 安倍総理は「戦後レジームから…
2024年発表の本書は、イランに留学し仕事で長期滞在もした人が、匿名・書下ろしでレポートしたイランという国の実態。匿名でしか発表できなかった内容である。題名は「地下世界」となっているが、イラン社会全体を表現している。 まず経済だが、経済制裁もあ…
2025年発表の本書は、フリーライター花田庚彦氏の「台湾裏社会潜入ルポ」。筆者は台湾黒社会の実態、トクリュウとの関係、日本との連携や拠点などを探ろうと、2度台湾に渡り、危ない目にもあいながらその姿をレポートしている。 元々台湾島には三大黒社会が…
2023年発表の本書は、日経新聞論説委員長藤井彰夫氏の、政策を歪める「ナラティブ」の実例集。「○○こそが正しい!」というもっともらしい言説によって、現代日本の政策は上手く進められなかった。反対しづらい「正義」が行き過ぎた対応を呼んだり、イノベー…
2024年発表の本書は、何冊か紹介している大野和基氏が世界の知性にインタビューする政治・経済書。暗殺未遂事件があって、表紙にあるように拳を振り上げたトランプ候補の姿に「確トラ」となった時期に出版されたものである。8名の世界的な知性が、専門分野…
2025年発表の本書は、グローバリズムに批判的な評論家中野剛志氏の国際金融論。トランプ2.0政権が相互関税を振りかざした時点で執筆されたもので、なぜこの政権が生まれたか、何をしようとしているのか、どうなるのかを解説している。言うまでもなく米ドルは…
2022年発表の本書は、反貧困ネットワーク代表藤田孝典氏の「高齢者貧困問題の解決編」。これまで関連図書を読んだ経緯は、 著者の「下流老人*1」:高齢者貧困問題を取り上げ、公助の充実を提案 渡部昇一著「実践快老生活*2」:自分は自分で守るしかないと自…
2024年発表の本書は、以前「鉄道会社データが警告する未来図」を紹介した、鉄道アナリストでYouTuberの鐵坊主氏の「鉄道や駅の価値についてのレポート」。地方では赤字で敗戦になる鉄道がある一方、大都会の駅改良やそれを結ぶ新幹線の開通が進んで、明らか…
2025年発表の本書は、2024年の総選挙にあたり政界引退を表明した、維新の会の足立康史氏の「ぶっちゃけトーク本」。彼は通産省のキャリア官僚だったが、東日本大震災を機に退官。日本維新の会から立候補し、12年間衆議院議員を務めた。主張には面白いところ…
2025年発表の本書は、社会批評の著述家物江潤氏の「有権者自立論」。2024年の兵庫県知事選挙で、失職した斎藤前知事が下馬評を覆して再選を果たした。SNSが猛威を振るった選挙を見て、筆者は民主主義の危うさを感じた。 兵庫県知事選挙では、パワハラ等で旧…
朝日新聞取材班は大阪・関西万博の推移を取材し、開催前の2025年2月に本書を発表した。まだ始まってもいない時点でも、ある程度結果は見えていたようで、「二度目の万博」は大阪維新の会から始まる改革ムーブメントを終焉させたとの主張である。 始まりは「…
2024年発表の本書は、日本保守党百田尚樹氏の「日本社会の歪み論」。今年初めのNHK日曜討論で「男女共同参画3兆円、子ども家庭庁7兆円の予算はムダ」と切り捨て、女性司会者を呆然とさせた作者だが、その主張の原点は本書に顕れていると感じる。 作者はニ…
2023年発表の本書は、朝日新聞で台北支局長などを務めたジャーナリスト野嶋剛氏の台湾レポート。清国が軽く見て日本に割譲した台湾島を、日本政府は近代化した。客家や福建省人がやってきて本省人として多数を占めた(現地民族は人口の2%ほど)が、WWⅡ後蒋…
2024年発表の本書は、元日経ソウル支局長のジャーナリスト鈴置高史氏の現代韓国レポート。分断深まり、政権交代のたびに前大統領が訴追される(または自殺する)ような国だが、筆者はそもそも民主国家ではなく「半導体などが作れるものの、メンタリティは李…
2020年発表の本書は、自ら「選挙マニア」と称する宮澤暁氏の、選挙面白事件簿。日本の第二次世界大戦後の9つの、主に地方選挙で起きた珍事を集めたものだ。珍事と言ったが、基本的には公職選挙法違反、もしくは違反か否かのグレーゾーンの話だ。 総じて有権…
2023年発表の本書は、何冊か紹介した気鋭の政治学者白井聡氏と、思想史に名を残す内田樹氏の対談による「戦争できる国になりつつある日本への警告」。岸田内閣が防衛三文書改訂から防衛費増を決定して、タモリ氏が「新しい戦前」と評した時代の論説である。 …
2020年発表の本書は、経済ヤクザ出身の評論家菅原潮氏(通称猫組長)の投資指南書。「COVID-19」禍と米中戦争で、世界経済は大きな打撃を受ける。今できる最善の投資は「投資しないこと」だというのが本書の主張。 高校時代から株式に興味を持ち、バブルに踊…
2024年発表の本書は、東京大学名誉教授(財政学)神野直彦氏の「社会再生論」。厳しい新自由主義への批判が込められていて、それが共同体社会を壊し、格差を広げて人間相互の信頼関係を失わせたとある。財政を単なる国家の「勘定」と思っていた僕には、大き…
2023年発表の本書は、評論家佐高信氏とノンフィクション作家森功氏の対談集。日本の怪物として、 ・カルト宗教、統一教会 ・闇の帝王、許永中 ・国商、葛西敬之 ・ロッキード事件、児玉誉士夫と小佐野賢治 ・総利権化の権化、竹中平蔵(本書の紹介のママです…
2024年発表の本書は、朝日新聞出身のウェブメディア運営者鮫島浩氏の「政治とカネ論」。主張ポイントは「民主主義を守り(有権者が)政治を自分事化するために、カネの流れに着目しよう」ということ。具体的には、政治献金などしていない一般市民も税金とい…