新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

政治・経済書

一極集中是正のヒント

別ブログでではあるが、東京一極集中の危険性を書いてみた。欧米諸国では人口1,000万人をこえる都市は珍しい。安全保障面からもこのような集中は避けるべきというのが、都市計画の裏にある。今回の「COVID-19」騒ぎでさらに拍車がかかったのが、一極集中是正…

やはり世界中「カネ余り」

緊急事態宣言の広がりもあって、「#二度目の一律現金給付を求めます」がトレンド入りしたらしい。これに麻生副総理・財務大臣は「銀行預金が増えるだけ、経済効果は期待できない」と消極的である。さらにこのところ銀行の預金総額が急増しているとの報道も…

「下流老人」への反論

昨日、藤田孝典著「下流老人」を紹介したが、不幸な人たちの例を次々挙げ、 ・彼らが「自助」出来なかったことを責めるのではなく、 ・人間関係が薄くなり「共助」にも頼れない今、 ・もっと税金を投入して「公助」を拡大すべきだ。 という論調には同意でき…

社会保障改革要、そこまでは同意

2015年発表の本書は、当時流行っていた「ピケティ理論」にも乗って、日本の格差社会を告発してブームを巻き起こした書である。筆者の藤田孝典氏は生活保護や貧困対策に注力するNPO代表で、Web上の論客としても有名だ。 本書は高齢者間の格差が広がり、現役時…

Leave Us Alone Coalition

本書も昨年10月末に初版が出たばかりの新書、とはいえこれは貰い物ではなくBook-offの100円コーナーで手に入れたものである。どうしてそんなに新しい本がと思うのだが、2020年11月と書き込みがあり本文中に傍線を引くなどしてあったから100円コーナーに回さ…

中国と日本のこれから

米国の分断大統領選挙や、欧州・ロシアの混迷についていくつかの本を読んできた。さて残ったエリアがある。アフリカやオセアニアもあるのだが、どうしても中国は避けて通れない。それに日本そのものの問題もある。そんな思いで手に取ったのが本書(2016年発…

とどめはEUそのものの病

フランスや英国の視点から、EUの課題を勉強してきた。多くの国が言うのは「ドイツの一人勝ち・自分勝手」ということ。ユダヤ系フランス人のトッド先生などは、「メルケルのドイツ第四帝国」と呼ぶ。そこでドイツ事情に詳しい音楽家の川口恵美さんの書を読ん…

そして、イギリスの病

昨日フランスの識者の目から見た欧州の問題を取り上げたのだが、今日は英国駐在の日本人が見た英国の病と欧州の問題を見てみたい。筆者は産経新聞社の記者で、かつてモスクワ支局長を務め、本書発表(2016年)の時点でロンドン支局長の職にある。昨日のトッ…

ドイツの病、フランスの病

本書は以前「グローバリズム以後」を紹介したフランスの「知の巨人」エマニュエル・トッドが、欧州について語った記事を集めたものである。トッドは歴史人口学者で家族人類学者。本書でもドイツの長男継承の家族主義とフランスの核家族化個人主義を比較して…

地球という乗り物で未来へ

本書もこの10月末に出たばかりの本、なぜ読めたかというとこれも筆者と長い付き合いだったから。白井均氏は企業系シンクタンクの長を長く務めた人。偶然にも同期同窓だが文系・理系の違いがあり、学生時代に出会っているわけではないし、仕事の分野が接して…

国家レベルのサイバー攻撃

大学で Computer Science を学び、IT産業に就職して約40年。一方で Simulation War Game を、100余り買い漁った僕。最近デジタルと戦争の分野での専門家と会う機会も増えているのだが、デジタルの専門家に対しては戦争の話を強調し、軍事専門家にはデジタル…

民意を汲むことの難しさ

米国を赤と青に分断した大統領選挙も、一応の決着をみた。しかし分断は終わっていない。上院・下院選挙では共和党が善戦したため、バイデン次期大統領は難しい政権運営を迫られるだろう。米国国民は、トランプ先生のもう4年は困るが、民主党にも期待できな…

総裁選向け緊急出版

2週間ほど前、横江公美著「隠れトランプのアメリカ」をご紹介した。11/3投開票だが、郵便投票などもあり簡単には決着しない。それを狙って10/31に緊急出版されたものだ。本書はもっと切迫した緊急出版、突然の安倍総理の辞任に伴い「安部後継」を自認してい…

あと4年、悪夢は続くのか

本書は発行日2020年10月31日の、まさに出たばっかりの本。Book-off専門の僕が、なぜそんな本を持っているかと言うと、著者に送ってもらったから。横江公美東洋大教授とは20年来の知りあいで、15年ほど前に僕がタフツ大フレッチャー校との交渉役を務めた時ず…

大きな政府=小さな国民

筆者の渡部昇一教授は、英語学者。「隷従への道」などで知られるノーベル賞経済学者ハイエクら知の巨人と交わり、歯に衣きせぬ論客として鳴らした人である。本書はその数ある著書の一冊(1996年発表)だが、なぜ書棚に残っていたのか記憶にない。多分「歴史…

地金(ちきん)再編への道

菅政権の大目標のひとつ「地銀再編」、確かに地域金融機関は多すぎるので昔から統合再編を推す声は多かった。かつて1ダースほどあった都銀は3つのメガバンクに20年以上前に再編されている。この流れは、地銀・第二地銀・信金・信組へとピラミッドを降りて…

政治家と軍人の関係

筆者は航空自衛隊で航空教育司令官を最後に退官、笹川USAなどに所属したこともある安全保障の研究者である。直接面識はないが、同世代でもあり本書中に登場する人物の何人かは、僕も存じ上げている。筆者に政界進出の野望はないようだが、若いころから持って…

護られている人々

政府の政策会合の常連である東洋大学の竹中教授には、時々薫陶を頂くことがある。巷では「小泉・竹中改革で非正規を増やし、自ら人材派遣会社のTOPに就いた」と非難されることもあるが、僕は全くの言いがかりだと思っている。それは、お話を聞くときいつも「…

基本的には「逆張り」思想

もともとは作家崩れのエンジニアなので、一番苦手なものはと聞かれれば「お金」と応えることにしている。それでも人生にある程度は必要なのが「お金」であることは知っていて、苦手ながら勉強はしなくてはと思っている。本書は、世界3大投資家のひとりジム…

汎用AIが登場した後の経済政策

AI(人工知能)は技術として急速な這ってを見せている。かつてチェッカーやチェスではコンピュータが人間のプロに勝てても、将棋ましてや囲碁では難しいとされていたが、今は最難関のゲーム囲碁でのプロ棋士がAIに負け、囲碁界に「AIブーム」を巻き起こして…

思ったほど過激ではなく

「アベ友の右翼」とWeb上では非難されている作家の百田尚樹、デビュー作「永遠のゼロ」で有名だがそれよりも強面の論客との印象が強い。しかし直接インタビューを聞いたわけでも、もちろん著作を読んだわけでもない。ある日Book-offの100円コーナーに本書が…

首相の座に昇るとき、辞めるとき

本書は先月別ブログで「朝まで生テレビ、400回記念」を紹介した、ジャーナリスト田原総一朗の日本現代史。内容は池田隼人から安倍晋三にいたる、日本の歴代首相の言動・思考である。特に後半(1989年以降)は、首相やその周りにいる人、対立する人などを「サ…

国際政治の入門書

米中対立からかなりキナ臭い国際情勢になってきたので、先人の知恵に学ぼうと関連の書を時々読んでいる。「先人」ではあるが、同世代の論客として僕が一番頼りにしているのがこの人、東大の法学政治学研究科藤原帰一教授である。本書は2012年ごろに「kotoba…

「対外情報庁」構想

以前日露戦争当時のロシアロマノフ王朝に対する破壊工作を指揮した、明石元二郎大佐の活躍を紹介した。太平洋戦争後、日本人は情報戦についての知識が欠如していると評されるが、情報戦に限らず軍事力を持たないとする憲法がある国なので、致し方あるまい。 …

二十余年前の予言

本書の著者寺島実郎先生には、2005年ごろ初めてお会いしている。当時から押しも押されぬ経済人で、グローバルな視点で大局を読み解く人だった。ある業界団体の政策研究会にデジタル屋として入ったのだが、その会の会長をされていた縁である。本書の発表の199…

米中デカップリング論前の予習

先日フランスの文化人類学者トッド氏の、グローバリズムへの警鐘本を紹介した。本書もトッド氏の本と同じトランプ大統領誕生直前に発表されたもので、こちらは中国の課題を取り上げている。僕の母校名古屋大学は時々ノーベル賞受賞者は出るのだが、全部理系…

それは夢だったのか、終わったのか?

僕の周りにいる仲間たちは、多かれ少なかれ「Global & Digital」の流れを当たり前だと思っている。その人たちから見ると「America First」と叫んで国境に物理的な壁を作る政策や、英国の「Brexit」行動は理解できない。サイバー空間には、国境などありえない…

NOと言わせる日本

このところ国際情勢がとてもキナ臭くなってきて、ひょっとすると第三次世界大戦でも起きないかと心配の日々である。一昨日「海洋国家日本」を目指すためのヒントを訓示評論家の書で紹介したが、憲法9条改正にしても敵基地攻撃能力にしても一朝一夕で出来る…

「公平・中立・簡素」が大原則だが

昨年の消費増税によって不況が来たという人たちは、税率をもとに戻せと言うし消費是5%で野党共闘をしようという声も上がった。そして今「コロナ禍」の緊急経済対策として、即座に消費税の(時限的)廃止を言う人たちも出てきた。 主旨は理解しているが、例…

信用情報機関の信用

僕はコンピュータサイエンスを学んでコンピュータを作る仕事をしていたのだが、30歳そこそこでコンピュータを使ってもらう場面をどうやって増やすかということに興味を持った。当時デジタル化が遅れていた分野(例:農業・林業・行政)に働きかける方法もあ…