新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

政治・経済書

汎用AIが登場した後の経済政策

AI(人工知能)は技術として急速な這ってを見せている。かつてチェッカーやチェスではコンピュータが人間のプロに勝てても、将棋ましてや囲碁では難しいとされていたが、今は最難関のゲーム囲碁でのプロ棋士がAIに負け、囲碁界に「AIブーム」を巻き起こして…

思ったほど過激ではなく

「アベ友の右翼」とWeb上では非難されている作家の百田尚樹、デビュー作「永遠のゼロ」で有名だがそれよりも強面の論客との印象が強い。しかし直接インタビューを聞いたわけでも、もちろん著作を読んだわけでもない。ある日Book-offの100円コーナーに本書が…

首相の座に昇るとき、辞めるとき

本書は先月別ブログで「朝まで生テレビ、400回記念」を紹介した、ジャーナリスト田原総一朗の日本現代史。内容は池田隼人から安倍晋三にいたる、日本の歴代首相の言動・思考である。特に後半(1989年以降)は、首相やその周りにいる人、対立する人などを「サ…

国際政治の入門書

米中対立からかなりキナ臭い国際情勢になってきたので、先人の知恵に学ぼうと関連の書を時々読んでいる。「先人」ではあるが、同世代の論客として僕が一番頼りにしているのがこの人、東大の法学政治学研究科藤原帰一教授である。本書は2012年ごろに「kotoba…

「対外情報庁」構想

以前日露戦争当時のロシアロマノフ王朝に対する破壊工作を指揮した、明石元二郎大佐の活躍を紹介した。太平洋戦争後、日本人は情報戦についての知識が欠如していると評されるが、情報戦に限らず軍事力を持たないとする憲法がある国なので、致し方あるまい。 …

現代情報戦の参考書

IT産業に身を置きながらもシミュレーションゲーム好きで軍事ヲタク指向を持っていた僕は、どうしても「情報戦・諜報戦」に興味を持つことになる。仕事の場で軍事知識が役立った最初が「湾岸戦争」、海外ビジネスにちょっとだけ絡んでいたので開戦時期やその…

二十余年前の予言

本書の著者寺島実郎先生には、2005年ごろ初めてお会いしている。当時から押しも押されぬ経済人で、グローバルな視点で大局を読み解く人だった。ある業界団体の政策研究会にデジタル屋として入ったのだが、その会の会長をされていた縁である。本書の発表の199…

米中デカップリング論前の予習

先日フランスの文化人類学者トッド氏の、グローバリズムへの警鐘本を紹介した。本書もトッド氏の本と同じトランプ大統領誕生直前に発表されたもので、こちらは中国の課題を取り上げている。僕の母校名古屋大学は時々ノーベル賞受賞者は出るのだが、全部理系…

それは夢だったのか、終わったのか?

僕の周りにいる仲間たちは、多かれ少なかれ「Global & Digital」の流れを当たり前だと思っている。その人たちから見ると「America First」と叫んで国境に物理的な壁を作る政策や、英国の「Brexit」行動は理解できない。サイバー空間には、国境などありえない…

NOと言わせる日本

このところ国際情勢がとてもキナ臭くなってきて、ひょっとすると第三次世界大戦でも起きないかと心配の日々である。一昨日「海洋国家日本」を目指すためのヒントを訓示評論家の書で紹介したが、憲法9条改正にしても敵基地攻撃能力にしても一朝一夕で出来る…

「公平・中立・簡素」が大原則だが

昨年の消費増税によって不況が来たという人たちは、税率をもとに戻せと言うし消費是5%で野党共闘をしようという声も上がった。そして今「コロナ禍」の緊急経済対策として、即座に消費税の(時限的)廃止を言う人たちも出てきた。 主旨は理解しているが、例…

信用情報機関の信用

僕はコンピュータサイエンスを学んでコンピュータを作る仕事をしていたのだが、30歳そこそこでコンピュータを使ってもらう場面をどうやって増やすかということに興味を持った。当時デジタル化が遅れていた分野(例:農業・林業・行政)に働きかける方法もあ…

「百合子劇場」のルーツ

連日「COVID-19」新規感染者の人数が都道府県別に報道されているが、北海道の記事を見ると、「北海道庁xx人、札幌市xx人」と個別に発表されていることが分かる。理由は感染者が札幌市に多いということではなく、札幌市が政令指定都市だからだと思う。15年近…

官邸全体を「Team」とするには

本書は、小泉純一郎が5年5カ月の間総理大臣を務めた期間のすべてで政務秘書官を務めた、飯島勲著になる官邸記録である。20世紀には誰もがあり得ないと思った「郵政民営化」を政治家としてやるべきこととして掲げ、2度の自民党総裁選挙で敗れながら最後に…

武力事態対処法に学ぶ

「COVID-19」感染拡大の中、「前例のない措置」がいろいろ取られるようになってきた。そのこと自身は当然と言えるのだが、「この機に憲法改正をして緊急事態条項を盛り込もう」という意見もあるやに聞く。確かにメディアは「ウィルスとの戦争」と叫んでいる…

海上保安庁の責務

「海猿」というアニメがあって、本書(2009年)に先立つ2002年のTVドラマに、その後映画にもなり人気を博した。これで極めて地味だった官庁「海上保安庁」の存在や意義を、多くの国民が知ることになったと、知り合いの国交省の人は言う。 その後、能登沖の北…

会社は株主のもの・・・

本書は、以前「憲法おもしろ事典」「民法おもしろ事典」を紹介した、弁護士ミステリー作家和久峻三の「おもしろ法律シリーズ」の一冊。のちの生活の安定を思って工学部に進学し、法学者になることをあきらめた僕にとって、大学生以降「法律は趣味」になって…

北方領土ビジネスとの闘い

鈴木宗男議員は、昨年の参議院議員選挙で「日本維新の会」から当選、三度目の国政復帰を果たした。もともとは中川一郎衆議院議員の秘書で、中川議員の死後衆議院議員選挙に当選した。地盤を奪ったという噂もあり、息子の中川昭一議員との確執は(本書には触…

サイバー脅威情報の活用

著者は防衛省から民間企業をいくつか経験して、現在はNTTホールディングス勤務。お堅い旧「電電公社」の本丸に、初めて中途採用された女性だと聞いている。サイバーセキュリティというと、デジタル言語しか話せない「理系クン」の領域と思われがちだが彼女は…

憲法改正議論の前の予習

和久峻三という人は、1972年「仮面法廷」で江戸川乱歩賞をとったミステリー作家である。TVドラマ「赤かぶ検事シリーズ」などの原作者である。自身も弁護士であり、法廷ものを得意とした。赤かぶ検事は飛騨高山などで活躍するが、作者が一時期中日新聞に務…

軍隊と自衛隊の間

政策通と言われる自民党石破議員が、2004年に2年以上務めた防衛庁長官(現在の職名は防衛大臣)を退いてから著わしたのが本書である。「軍事オタク」とのうわさもある同議員だが、長官室に軍艦や戦車のプラモデルを飾っていたのは事実のようだ。それでも本…

年金の物価スライド制

以前憲法改正議論が高まってきたので、ミステリー作家和久俊三の「憲法おもしろ事典」を紹介した。その後僕が思ったほど、憲法論議は進んでいない。それはともかく、和久先生(弁護士でもある)のこの本も面白かった。埋蔵金発掘の権利関係、酒の上の口約束…

死刑制度を考えるきっかけ

大杉漣さんの遺作となった、「教誨師」という映画が昨年公開された。僕はまだ見ていない。法治国家である日本において、国家の名のもとに殺人を行うのは、死刑制度以外にはない。昨年は「オウム事件」の死刑囚13人全員の刑が執行された。多くの先進国で死刑…

ラスト・エンペラー

八幡和郎という人は、通産省(現経済産業省)出身の評論家である。TVの討論番組などでよく見かけ、その博学さと頭の回転の速さはよくわかったのだが、歯に衣着せぬ「毒舌」がちょっと気になる論客である。非常に多くの著作があり、「江戸300藩」のシリーズ…

「ふ」号兵器の後継者

昨年初めて行った国イスラエル、建国以来周辺国からの有形無形の圧力を受けながらしぶとく生き延びている国であることを、現地で直接感じている。トランプ先生がユダヤ教徒である娘婿への配慮か、福音派の票が欲しかったせいか、イスラエルに傾倒してアメリ…

人生のリセットボタン

僕は大学を選ぶにあたり、当時できたばかりの「Computer Science」学科に入り、IT屋として足掛け40年暮らしてきた。企業に入って最初の10年は技術で、次の10年はお金を回すことで、次の10年は社内の人脈を生かして、そして今は社外も含めた広めのネットワ…

最強の首相官邸

官房長官として歴代最長在位記録を更新し続けているのが、現職の菅義偉議員である。第二次安倍内閣の屋台骨であり、それでいて出過ぎない「出来る人」との印象が強い。こわもての政治家の典型のように僕が思っている古賀誠元議員が「菅は政治というものがわ…

「影のCIA」が語る21世紀の歴史

作者のジョージ・フリードマンは、インテリジェンス機関「ストラトフォー」の創始者でありチェアマン。同社は「影のCIA」とあだ名され、政治・経済・安全保障に関する独自の情報を各国政府や大手企業に提供ていると伝えられる。「Comming WAR with Japan」な…

もうひとつのプロの世界

20世紀末、アングロサクソン流の金融が世界を席捲していたころの本「アングロサクソンになれる人が成功する」を前回紹介した。今回は、もうひとつのプロの世界、プロ野球である。よく「契約金x億円」「年俸x億円越え」などと景気のいい数値が、スポーツ新…

プロを目指す人たちへの遺言

人生を変える契機になったことというのは、そう多くない。ミステリーとの出会いも、シミュレーションゲームとの出会いもそのひとつだったが、ここで紹介する本「アングロサクソンになれる人が成功する」もそうだった。金融アナリストである著者は、TVのニュ…