2021-03-01から1ヶ月間の記事一覧
先日「スクールデイズ」を紹介したロバート・B・パーカーの「スペンサーもの」の、次の巻が本書(2006年発表)。前作で「スペンサー一家」に仲間入りしたような黒人ギャングメージャーや弁護士リタは登場せず、スーザンとホークが帰ってくる。そしてもう一人、…
いろいろな国のこと(米国・欧州・英国・中国・韓国)を、何冊もの新書で勉強してきた。しかし手近なところの1国はまだ手付かず、それが北朝鮮だ。トランプ政権の宥和とも見える政策がバイデン政権に代わってどうなるのか、かの国の指導者は心配しているは…
先日、歴史探偵半藤先生と本書の筆者池上彰氏の対談風の本を紹介した。僕は筆者がNHKの人だったということしか知らず、TV番組で種々のニュース解説をされているのは知っていたが、まともに視聴したことは無い。だが上記の本を読んで、一度著作を読んでみたい…
1988年発表の本書は、サラ・パレツキーの「シカゴの女探偵V・I・ウォーショースキーもの」の第五作。V・Iことヴィクは子供のころを過ごしたサウス・シカゴで、赤ん坊のころから知っている娘の「父親を捜して」という依頼を受けたことをきっかけに、この街で蠢く…
欧米への海外出張のフライトで、必ず見ていたのが「ネイビー犯罪捜査班(NCIS)」。スピーディなストーリー展開、アクションにユーモア、さらにサイエンスと意外な結末が揃っていて、楽しませてもらった。どのエピソードも往復見るので、大体3回以上は見た…
TV朝日系で1973年から1980年まで放映された刑事ドラマ「非情のライセンス」。刑事ものを各局が競っていたころのシリーズで、それらの中では最もハードボイルド色が強かった印象がある。そのシリーズの原作となったのが、生島治郎作の本書である。主人公の会…
本書は「失われた20年」がどうして起きたのか、その処方箋は何かを筆者なりの視点で提案したもの。筆者の藤野英人氏は投資信託ファンドマネージャー、「レオスキャピタルワークス」を立ち上げて日本の成長企業に投資している人だ。 本書の前半は日本の産業界…
第二次世界大戦直後の1946年に発表された本書は、アガサ・クリスティーのポワロものの1冊。「スタイルズ荘の怪事件」でデビューした作者と探偵のコンビは、26年間英国推理文壇に大きな足跡を残していた。しかし当初は「明るいスパイもの」が好きだった作者…
本書は1991年に5年にわたる連載が終わって文庫化されたもの。作者の陳舜臣については、これまでにも「小説十八史略」や「耶律楚材」など中国の歴史小説をいくつも紹介している。三国志についても「秘本三国志」や「曹操」を読んだことがある。その紹介記事…
本書(1963年発表)は、エラリー・クイーン後期の作品。ライツヴィルものではなく、ニューヨークを舞台にクイーン父子とお馴染みのヴェリー部長刑事らが登場する。とてもニューヨークにあるとは思えない四角形の古い洋館である「ヨーク館」、四隅を対称形の…
本書は「霞ヶ関埋蔵金伝説」で知られた、ユニークな経済学者高橋洋一の初期(まだ財務省勤務だった?)の著作。実は僕の一番の苦手が「お金」、自分の生活に必要なくらいのものは理解できるのだが、デジタル技術や軍事戦略と違って大きなお金のセンスには自…
以前、NPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典理事の「下流老人」を紹介した。本書はその続編、貧困老人を量産するようになってしまった社会の構造改革はこうあるべきだとの「解決篇」である。著者は現在「10万円一律給付」を求める記事を毎日のように投稿してい…
昨日、巨匠内田康夫のデビュー作「死者の木霊」を紹介した。作者の膨大な作品に登場する名探偵浅見光彦は第三作の「後鳥羽伝説殺人事件」でデビューするが、初期のころにはデビュー作の長野県警竹村警部や、本書の主人公警視庁捜査一課の岡部警部が主役の座…
内田康夫と言えば多くの人には「浅見光彦シリーズ」が有名でTVドラマ化がされたのだが、その他に「警視庁岡部警部シリーズ」や「信濃のコロンボ竹村岩男シリーズ」も5~6冊ほどある。総計140冊を超える著作があるのだが、そのデビュー作が本書。浅見光彦の…
本書は、陳舜臣の「わが集外集」の改題短編集である。作者には歴史ものから現代もの、ミステリーから冒険小説まで幅広い作品がある。多くの作品の中で、短編集にまとめられなかった9編がここに収められている。必然的に、上記の幅広い作風の9編を集めたこ…
堺屋先生の本に「平成30年」という未来予想書があって、「失われた三十年」になるぞという警告本だった。不幸なことだが、その予想の多くは的中してしまったようだ。本書は、その30年間を2人のジャーナリストが総括したもの。先日他界された「歴史探偵」半…
コロンビア大ロースクール卒、ニューヨーク大で文学博士号をとり、2009年発表の本書でアメリカ探偵作家クラブの最優秀新人賞を獲得した才女がステファニー・ピントフ。夫と娘がありニューヨーク在住ということくらいしか、私生活については分かってない作家…
「COVID-19」騒ぎだけでなく、総務省接待問題など出て来て手が回らないのかもしれないが、菅政権の政策目標のひとつは「金融再編」だったはず。最近その報道があまり見られない。ただ日本の地域金融機関の経営はかなり苦しくなっていて、再編を求める声は大…
「超音速漂流」(1980年発表)でデビューしたパイロット作家トマス・ブロックが1987年に発表したのが本書。デビュー作同様、危機に陥った旅客機内外で起きるさまざまなトラブルや思惑を描いたものだが、今回の危機の原因はハイジャックである。(デビュー作…
昨日東日本大震災当時の官邸内部のことを官邸内部の視点で示した書を紹介したが、本書には同じことを官僚の目で見たことが書かれている。ただ著者の古賀茂明氏が言いたかったことは、官邸内の迷走よりもそれを生んだ官僚たちの生態(筆者の言う独特のメンタ…
本書の著者下村健一教授は、TBSのニュース番組から各種の報道に関わった後、民主党政権菅内閣の時に内閣広報官を引き受け、2年公務員の職にあった。本書はその時経験したことを2013年に綴ったものである。 著者は学生時代から、社民連という小政党で一年生…
これまで何作か井沢元彦の歴史ミステリーを紹介しているが、本書はその中にある「謀略の首」と同様織田信長が探偵役を務める。「謀略の首」は石山本願寺攻防戦と毛利水軍との合戦を背景にした長編小説だったが、本書は7編を収めた短篇集。小説現代に、1981…
2日続けて「中国は覇権国になれない」とする、政治・経済の専門家と軍事の専門家の著書を紹介してきた。今日は「いや覇権国になれる」とする意見も紹介しよう。以前「お金の流れで読む日本と世界の未来」を紹介した、伝説の投資家ジム・ロジャーズ氏が「お…
昨日日本の中国問題の専門家の著書を紹介したが、続いて本書は軍事戦略の専門家が見た中国事情である。以前「戦争にチャンスを与えよ」を紹介した元CSIS上級顧問エドワード・ルトワック氏に、奥山真司氏がインタビューしてまとめたもの。 「戦争に・・・」でも…
本書は、中国問題の専門家津上俊哉氏の2015年の著書である。昨年秋に直接ご教示いただいて深い洞察を持った方と思っていたので、本書を大森のBook-offで見つけて即購入した。著者は経産省OB、在中国大使館勤務の後、北東アジア室長を経験している。経済産業…
1990年発表の本書は、ハードボイルド&冒険小説作家大沢在昌の代表作「新宿鮫」シリーズの最初の作品。作者は1979年「感傷の街角」でデビュー、小説推理新人賞を受けている。以降、ヴィヴィッドな作品群で受賞の常連となり、本書も推理作家協会賞を受賞し、…
以前ドナルド・E・ウェストレイクの「悪党パーカー」もので、洋上のカジノ船をパーカーたちが襲撃する話を紹介した。多額のカネが動きしかも現金が多いので、目標としては申し分ない。しかし潜入はともかく逃走は非常に難しい。パーカーたちがどう知恵を絞って…
最近あまり見かけない作家のひとり、フレドリック・ブラウンのかつての人気シリーズ「エド・ハンター」ものの第一作が本書。エド青年はカーニバル暮らしだが、たびたび事件に巻き込まれ伯父のアンブローズ・ハンターと共に探偵役を務める。このシリーズは7…
僕が高校生の頃に「高×コース」という雑誌があり、高校生向けの月刊誌としてそこそこ売れていたと聞く。特に「高3コース」は大学受験の指南書のようなものだった。ちなみに浪人生向けの「蛍雪コース」という雑誌もあった。いずれも僕は買ったことはない。そ…
先月日経平均が30,000円を越え、バブル再来と言う人もいる。確かにこの基準を越えたのは30年前の「バブル期」以来である。そのころ僕は下っ端サラリーマン、周囲で景気のいい話が飛び交う中、戦争ゲームにうつつを抜かし「湾岸戦争」をTVで見て盛り上がって…