新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

架空戦記

ドイツ作家の描く太平洋戦争

作者のハンス=オットー・マイスナーは、ドイツ第三帝国の外交官。第二次欧州大戦が始まる1939年まで、東京で勤務した経験がある。帰国後は、対ソ連の東部戦線で機甲部隊の中尉として戦っている。そんな人が、独ソ戦を書くならともかく、太平洋戦争を書いた…

見捨てられた愛国者

第二次世界大戦の後世界の頂点にたったアメリカ合衆国が、つまづいた最大の事件がベトナム戦争である。もともとフランスの植民地であったベトナムは、大戦後独立気運が高まり共産国に支援されたホー・チ・ミンが勢力を伸ばしていた。旧宗主国のフランスを追…

空の架空戦記

横山信義を海の架空戦記作家とするなら、こちらは空の架空戦記作家と呼ぶべきかもしれない。第二次世界大戦をベースに、少しアイデアを盛り込んでIFの世界を描くという共通点がある。いずれも、20年ほど前に気楽に読んだものである。じゃあ陸の架空戦記作…

大艦巨砲主義

1920年代、世界のビッグセブンといわれた戦艦は7隻。日本の長門級(長門・陸奥)、米国のコロラド級(コロラド・メリーランド・ウェストバージニア)、英国のネルソン級(ネルソン・ロドネイ)である。40cm級の主砲を持った7隻ということだった。戦艦が最…

ヨークタウンは三度死ぬ

太平洋戦争勃発当時、アメリカ海軍は7隻の大型空母を持っていた。巡洋戦艦改装の「レキシントン」と「サラトガ」、旧式になりはじめていた「レンジャー」、新鋭艦の「ヨークタウン」、「エンタープライズ」、「ホーネット」。これにやや小型の「ワスプ」で…

Marche ou mort / March or die

第二次大戦であまりにもあっけなく降服してしまったので、フランスは「戦争に弱い国」という印象があるかもしれない。しかし、大陸制覇に一番近づいたのは、1800年過ぎのフランス皇帝ナポレオンである。グラン・ダルメ(大陸軍)を率いてイベリア半島・地中…

歴史群像大賞の成果

「戦略・戦術・戦史Magazine」というのが、歴史群像という雑誌のコピーである。戦史マニアのNINJAとしては、非常に興味のある雑誌で実際10年あまり買い続けた。そのうちに「なんとなくワンパターンかな」と思うようになって、最近は買っていないが、バック…

日米戦最良の戦略(後編)

ミッドウェイを占領したとして、問題になるのはその基地維持のための補給である。ミッドウェイに一式陸攻などを配備すればハワイ・オアフ島は空襲圏内に入る。これを護衛する長距離戦闘機(零式艦上戦闘機)も日本海軍にはあった。 しかし一方、オアフ島には…

日米戦最良の戦略(前編)

横山信義はもともと本田技研のエンジニア、大鑑巨砲主義の作家と呼ばれ1992年「鋼鉄のリヴァイアサン」でデビューしている。第二次世界大戦の海戦を中心にした架空戦記を多く発表し、僕はこの種の作家としては比較的真っ当なアプローチをしている人だとと思…

貴族たちの戦争

イギリスは、階級社会だ。21世紀に入っても、通うスーパーマーケットによって階層が分かるらしい。妙な話だが、言葉も違うという。昔から"King's English" というのがあって、これが貴族の言葉だろう。では庶民は何を話すのか?あまり経験がないので何とも言…