新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

軍事スリラー

朝鮮半島、2003(後編)

生き残った北の特殊部隊員チョン・ヒチョル上尉は、南に潜入したかつての恋人リ・ガウンの案内でソウルにたどり着く。この過程で「南の先輩」であるガウンが教え諭すことが面白い。 ・北で一般に言われていること違い、社会主義と資本主義のどちらがいいかは…

朝鮮半島、2003(前編)

本書の作者ファン・セヨンは、韓国気鋭のミステリー作家と解説にある。いわゆる386世代(30代で、80年代に大学に入学、60年代生まれ)である。最近は聞かれないが、本書発表当時2003年には、韓国の「新人類」的な扱われ方をしている。ちなみに386の意味はも…

インテリジェント海賊との闘い(後編)

この種のシリーズで難しいのは、主人公(アマンダ&カニンガム)により大きく困難なミッションを与え続けないといけないという宿命にある。また主人公も昇進するので、立場が変わってしまうのだ。例えば(オリジナルの)「Star Treck」では、カーク艦長はず…

インテリジェント海賊との闘い(前編)

本書は、J・H・コッブのアマンダ・ギャレットシリーズ第四作である。第一作でステルス駆逐艦DDG-79「カニンガム」艦長としてアルゼンチン海空軍を一手に引き受けて戦った彼女は、第二作で揚子江を遡上するという荒業を見せ核戦争の危機を防いだ。この戦闘…

第二次朝鮮戦争、1989(後編)

いかに100万人の陸軍や10万人の特殊部隊を持とうとも、米韓軍も60万人規模であり、海空戦力では比較にならないほど戦力差が大きい。だから北朝鮮軍の南進にはかなりの好条件が整わなくてはならない。作者のラリー・ボンドもよく心得ていて、かの国の指導者に…

第二次朝鮮戦争、1989(前編)

「レッドオクトーバーを追え」「レッドストーム・ライジング」の2作で、トム・クランシーの重要な協力者を務めた元海軍の分析官でゲーマーのラリー・ボンドが、自ら執筆したのが本書である。北大西洋での潜水艦追撃戦から西ヨーロッパでの大規模戦闘にスケ…

戦隊指令、アマンダ・ギャレット

「現代のホーンブロワー」アマンダ・ギャレット、三度目の登場である。アルゼンチン空・海軍を単身引き受けて戦い、中国軍の核攻撃を阻止するため長江を遡上したステルス艦「カニンガム」は、中国軍との戦闘で傷つき兵装強化の改装も含めてドック入りしてい…

中台もし戦わば

21世紀初頭、民主化勢力の蜂起によって内戦が拡大した中国に対して、民主化勢力と呼応した台湾軍が本土に逆上陸するというIFを描いたのがこれ。以前紹介した「ステルス駆逐艦カニガム」の第二作である。前作で単艦でアルゼンチン軍のほとんど全てを相手取る…

「ズムウォルト」の目指した戦い

アメリカ海軍の新鋭駆逐艦ズムウオルト級のネームシップ「ズムウオルト」が、いよいよ就役して3年になるが、相変わらず「初期不良」のせいか母港をはなれられないようだ。排水量16,000トンというのは、1世紀前の基準では「戦艦」にあたる。事実上最初のス…

第二次太平洋戦争(後編)

ハワイを占領し西太平洋全てを手中にした中露同盟に対して、有力な戦闘部隊のほとんどを失った米軍に味方するのはイギリスとオーストラリアなど旧英連邦の国だけになってしまう。ドイツなど欧州大陸諸国は中立を保っているとあるが、朝鮮半島はもとより日本…

第二次太平洋戦争(前編)

ひと昔前だったらこのような小説はSF(Science Fiction)とよばれていただろう。最近Book-offを巡っていても、(もちろん新刊本書店でも)SF小説の凋落は著しく感じられる。理由は簡単で、SFのように思っていたことが、現実になってしまったことがある…

原潜「チャレンジャー」バルト海へ

ジョー・バフの2作目。再びセラミック外装の原子力潜水艦「チャレンジャー」と元SEALSのフラー艦長代理の登場である。作者はMITで数学の修士過程を終え、マンハッタン計画などで有名なアルゴンヌ研究所に勤めた経験もある。そこで得た核関連のノウハウを使…

竹島奪還作戦

このところの文政権を見ていると、ほとんど北朝鮮の属国ではないかと思えることもある。あるメディアは、文大統領を正恩クンのスポークスマンさと揶揄したし、あのトランプ先生までその言動に苦言を呈している。慰安婦・徴用工・旭日旗など、日本政府や国民…

戦術核魚雷の応酬

実験でならともかく、核兵器が実戦で使用されたのは人類史上2回しかない。それも70年も昔のことで、その後核兵器の改良はどのくらい進んでいるのだろうかと思う。核兵器の応酬がどうなるのか、専門家でない僕たちには想像が難しい。映画「博士の異常な愛情…

第三次欧州世界大戦の実相

「レッドオクトーバーを追え」でデビューしたトム・クランシーは、第二作に第三次欧州大戦ともいうべきNATO軍とソ連軍の全面戦争をテーマに選んだ。デビュー作同様、有名なゲーマーであるラリー・ボンドを協作者にしている。デビュー作は北大西洋での潜水艦…

北大西洋、水面下の攻防

ソ連崩壊前夜の北大西洋、最新鋭原子力ミサイル潜水艦「レッド・オクトーバー」が亡命の意図を隠して処女航海に出発する。その日から延べ18日間の米ソ両国の暗闘を描いて、トム・クランシーは衝撃のデビューを果たした。非常に豊富な兵器についての知識、第…