新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

法廷もの

クローゼットの中の軍用犬

E・S・ガードナーの「ペリー・メイスンもの」の特徴は、その法廷シーンにあるといって差し支えない。前回紹介した「危険な未亡人」事件では、それがなくてちょっとがっかりした。見ようによっては些細なことをこねくりまわして時間稼ぎをしているようなメイス…

法廷ミステリーの傑作

先日「人蟻」を紹介した、高木彬光の百谷泉一郎/明子シリーズの第二作が本書。陪審員制度ではなかった当時の日本で、難しいと言われたほぼ全編が法廷シーンという意欲作である。作者は元々工学部出身、物理的・化学的なトリックを得意としていたが、経済学…

目撃者の消し方

本書はE・S・ガードナーの「ペリー・メイスンもの」の一冊。このシリーズ、最初に「ビロードの爪」が発表されたのが1933年。まさに本格ミステリーの黄金期に始まっている。その後40年にわたって書き続けられ、長編80余冊が出版されている。僕が読んだことがあ…

イタリア重罪院の裁判

「ペリー・メイスンもの」などを読み始めて、改めて法廷ものの面白さを思い出した。他の米国のものや日本の法廷ものの読んだが、本書(2002年発表)のようなイタリアの法廷ものは初めてだ。1月にサルディニア島の弁護士を主人公にした「弁護士はぶらりと推…

カリフォルニア州の変な判例

高校生だった一時期、アール・スタンレー・ガードナーの「ペリー・メイスンもの」は何冊か読んだ。「どもりの主教」と「義眼殺人事件」が傑作と言われていたが、そのほかの作品もいつも楽しめたものだ。後半の100ページほどは、おきまりの法廷シーン。予審の…

陪審員たちの闘い

ミステリーのひとつのジャンルに「法廷もの」がある。有名なのはE・S・ガードナーの「ペリー・メイスンシリーズ」だが、これはハイライトを法廷に持って行った普通のミステリーと言えなくもない。法廷もののマニアの中では「最初から最後まで法廷だけを描写…