新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

CSI、もう一つのスピンアウト

 以前CBSのTVドラマシリーズ「CSI:科学捜査班」のラスベガス版とスピンアウトのニューヨーク版を紹介した。2006年発表の本書は、もう一つのスピンアウト「マイアミ版」である。このシリーズのノーベライゼーションは、サスペンス/SF作家のドン・コルテスが担当している。

 

 本家のラスベガス版が2000年に始まり、2002年にはマイアミ版が放映されるようになった。2012年まで、10シーズン放映されたという。いずれも科学捜査を担当する複数の捜査官がチームで事件を追うスタイルで、マイアミでの主人公は、

 

ホレイショ・ケイン 科学捜査班主任、爆発物が専門

カリー・デュケーン 火器、銃器担当、スペイン語に堪能

エリック・デルコ 水中捜査が得意、指紋・薬品等の分析担当

アレックス・ウッズ ベテラン検死官

 

 のチーム4名に、ライアン・ウルフ、イエリーナ・サラスという2人の制服警官が加わる。マイアミといえば1980年代に「特捜刑事マイアミ・バイス」というシリーズがあったが、それ以外では日本人には「陽光降り注ぐリゾート」くらいの印象しかない街。確かに温暖で富裕層も多い街だが、麻薬等の密輸も多く、観光客や富裕層狙いの犯罪も多いところだ。

 

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 本書では冒頭、菜食主義レストランに雷が落ち、トイレで男が一人死んだシーンがある。携帯電話で話していて、金属製の配管とステンレス製の便器を伝わってきた電流で即死したらしい。携帯電話は破裂していた。ホレイショたちは「雷では滅多に人は死なない」と、何らかの仕掛けがあったものと考えて捜査を始める。

 

 被害者も、レストランもそうなのだが、カルト教団の信者やその組織らしい。インド生まれの教祖シンハルマ博士は、被害者が菜食の戒律を破ったので、神が罰を下したという。ホレイショが訪ねたカルトに詳しい人物は、カルトの教団がどのようにして信者を獲得するか、囲い込むか、最後は集団自殺にまで行くかを説明してくれる。また大気調査センターの職員は、誘雷ロケットの仕掛けを説明してくれ、これが故殺だったとの疑いが深まる。

 

 科学捜査班らしく、ホレイショのきめ台詞は「明らかにしたいのは真実」というもの。膨大な量の痕跡・証拠品・指紋・DNAなどを、捜査班チームは着実に分析して真実に迫る。最後はエバーグレーズ公園での大立ち回りもあります。TVドラマらしくダイナミックな展開が特徴のシリーズのようですね。