新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

アクション小説

監視社会アメリカ、2012(後編)

ATS(アダプティブ・テクノロジ・ソリューションズ)は国家安全保障会議にも入り込んでいて、極秘抹殺予定者リスト(題名ともなっているブラック・リスト)に勝手に名前を付け加えることも出来る。本来は、オサマ・ビン=ラディンのようなアメリカに敵対…

監視社会アメリカ、2012(前編)

作者ブラッド・ソーはライター、プロデューサーなどを経て「傭兵部隊<ライオン>を追え」でデビューしたミリタリー作家である。驚いたことに共和党のシンクタンク「ヘリテージ財団」のメンバーでもある。本書の中にもブルッキングス研究所のレポートが紹介…

SAS出身の覆面作家

クリス・ライアンという作家は、イギリス軍の特殊部隊SAS(Special Air Service)で狙撃手の務め、湾岸戦争でイラクでの戦果によりミリタリー・メダルを授与されている。湾岸戦争では、スマートな爆弾が使用され目標に向かって軌道を修正しながら命中させ…

インドの軍事スリラー

高級織物カシミアを産し、カラコルム山脈を背景にした美しい土地であるカシミール地方。ここを舞台にした、インド発のミステリーに出会った。ミステリーと言えば英米が主体、フランスのものは少し経験したが、ドイツ・ロシアのものは過去に1編づつしか読ん…

デンマークの現代アクション小説

ギャビン・ライアル「もっとも危険なゲーム」で扱われたのは、銃を持った人間を最後の狩りの相手とするまでエスカレートしたハンターの異常心理だった。この作品は1963年の発表だが、その50年後やはり北欧を舞台にした同じテーマのアクション小説が生まれて…

悪い奴のお金の話

ドナルド・E・ウェストレイクという作家は作風の広い人で、いくつかのペンネームを使い分けている。その一つがリチャード・スターク。かれはこの名前で「悪党パーカー」シリーズを20作近く発表している。その第一作が本書(1962年)。 冒頭ニューヨークと思…

ビン・ラディンを狙った作家

原題の"Black Site" とは、アフガニスタン・パキスタン国境のカイバル峠に置かれた(という設定の)捕虜収容所を示す。タリバンなどの中間指導層を捕えておく、極秘の施設である。よくある落ちぶれた元特殊部隊員が、友人を救うために厳しい訓練で自らを叩き…

トム・クランシーの真価

トム・クランシーはデビュー作「レッドオクトーバーを追え」で北大西洋での潜水艦戦を描いて衝撃的な登場をした。ソ連の最新鋭戦略原潜が西側への亡命を図って行方をくらまし、ソ連海空軍がこれを必死に追うというストーリーだった。膨大な軍事知識がちりば…

ミッション「生死を問わず」

ロバート・B・パーカーのスペンサーシリーズは、最初のころ得意分野を探すように作風・テーマを変え続けた。デビュー作「ゴッドウルフの行方」は、大学の街ボストンを舞台にレイモンド・チャンドラーばりのハードボイルド探偵を描いたものだった。第二作「…

小説・映画・ノベライゼーション

アリステア・マクリーンは「女王陛下のユリシーズ号」でデビューし、イギリスの軽巡洋艦「ユリシーズ」の活躍と最期を描いてダグラス・リーマン流の海戦もの作家の登場かと思わせた。しかし、第二作は有名になった「ナヴァロンの要塞」、映画化され大ヒット…

戦闘級のチャンピオン

シミュレーション・ウォー・ゲームには、4つのクラス分けがある。ゲームをする人から見ると、 ・戦略級 国家指導者の視点 ⇒ 外交戦、戦争経済運営、国民士気の鼓舞等、1コマは軍レベル ・作戦級 軍司令官の視点 ⇒ 戦力展開、兵站、作戦目標へのアプローチ…

傭兵に流れるマフィアの血

名作「鷲は舞い降りた」などで有名な、冒険小説の雄ジャック・ヒギンズの比較的初期の作品(1969年発表)が本書。わたしことステーシー・ワイアットはハーバード大学で学んだこともある青年だが、母親の死がきっかけで家を出て傭兵になる。金の密輸に関与し…