新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

ロワールとプロヴァンスへの誘い

 家内は大学で第二外国語として「フランス語」を選んだそうだ。(僕はドイツ語) そのころを思い出しながら、NHKの「旅するフランス語」を視ている。舞台は9月までの放送ではリヨン、10月からはトゥールーズとのこと。いずれも美食で知られる街である。

 

 僕ら夫婦がJTBの「暮らすパリ」企画でアパルトマン滞在旅行を始めたことは、何度か紹介している。フランスには結構行ったのだが、全部パリだけ。仕事でもフランス財務省OECD本部に行ったが、これももちろんパリ。他の街については、本書のような資料に頼るだけだ。作者の紅山雪夫は昭和2年生まれと言うから、僕の親父と同い年。「ヨーロッパものしり紀行」など紀行作品が多く、日本旅行作家協会の理事も務めた人だ。

 

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 本書にはパリはもちろん、ノルマンディー、ロワールの城めぐり、プロヴァンスとラングドックなどが紹介されている。もともとが「トラベルジャーナル」に連載され「フランスの城と街道」という題名だったのだから、お城の記述が多いのがうれしい。僕としてはロワールの城めぐりは一度はいってみたいツアー。シャンボール城、シュノンソー城など目標が点在しているので、個人では旅程を立てるのが難しいのだ。特にシュノンソー城は、TVドラマ「Combat」で見た記憶がある。

 

 一方家内の希望は、プロヴァンス地方での滞在だ。ピーター・メールの「プロヴァンスの12カ月」が愛読書だし、イギリスに居たことがあるのでイギリス人の南仏好きは肌感覚でわかるらしい。アヴィニョンやアルルといった街のどこに拠点を設けるか、それともどこかのツアーを利用するか、迷うところだ。その最初の検討に、本書は役に立った。

 

 城を巡る王家の歴史や美術品の話が多い分、グルメ系の紹介が少ないのがちょっと問題だが、それはそれで行って食べてみればいいこと。さて、二度目のローマの次は、満を持してフランス南部に行きましょうかね。