第二次世界大戦は、戦略的には「空の闘い」だった。陸上・海上を問わず、制空権なき側は必ず敗れた。膨大な記録も残されていて、僕らは
・戦闘機 零戦、Bf109、Fw190、F6F、P51、スピットファイア
・爆撃機 一式陸攻、Ju87、Ju88、B17、B25、B29、アブロランカスター
などの名前を良く知っている。しかしこれらの有名な機種のほかにも、第二次世界大戦前後で膨大な機種が開発された。そのうちのいくつかは試作だけで終わったり、登場が早すぎたか遅すぎたかで活躍の場を得られなかった。本書は、11のエピソードの中で。これらの機種を紹介したり、隠れた事実を明らかにしたものである。
零戦(21型)は登場して間もなくは、太平洋で無敵だった。米英軍は、日本にこのような航空技術があることを信じず、零戦はヴォートV143のコピーだと思っていた。
◆V143 出力825馬力、重量1,982kg、速度470km/h、武装7.7mm機銃×2
◆零戦21型 出力940馬力、重量2,410kg、速度533km/h、武装7.7mm、20mm各2
◇一式戦隼 出力950馬力、重量2,048kg、速度492km/h、武装7.7mm機銃×2
参考までに「隼」も並べてみたが、写真を見るとこの3機種は非常によく似ている。低翼単葉、引込脚、涙滴型風貌などの特徴が同じなのだ。
ほかに第二次世界大戦後のジェット機開発の「迷走」も紹介されている。レシプロエンジンは高速を得るには限界と考えられ、ジェットエンジンを搭載した機種を開発しようとするのだが、どうしてもジェット一本に絞れずレシプロとの「Hybrid」機が試作されている。
◆FR1ファイアボール 出力1,425馬力+726kg推力、重量4,517kg、速力686km/h
◆FJ1サヴェイジ 出力5,600馬力+2,070kg推力、重量24,948kg、速力644km/h
戦闘機・爆撃委とも700km/hを越えることはなく、これらは実用化されなかった。
本書は図面も豊富で、ドイツ空軍が「全周囲視界の単発直協偵察機」開発をフォークト博士に依頼した「Bv142」という非対称機(コックピットが右主翼の途中にある)の形状には驚きを禁じ得ない。
ほかにも何冊か、幻の戦闘機・秘密兵器の本があります。いずれ紹介させてもらいますよ。