新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

困った父親たち

 このDVDは、ご存じ「ネイビー犯罪捜査班:NCIS」のシーズン10。このころの作品は、海外出張を一杯したフライト上でよく見ていたものだ。10年近く前のことなのに、いくつかのシーンを覚えている。

 

 それを今回、全編を通してみることで、個別のエピソードだけ見ては分からないものを得られた。フライト上では、1回に3作品しか見ることが出来なかった。このシーズンの特徴は「困った父親たち」である。

 

 まずギブス捜査官の父親ジャクソンは、何度も登場しているが頑固親父。前シーズンのように命を狙われることこそなかったが、息子の名前を貰い受けるほどの親友と決別して口もきいていない。今回は、ギブスが中に入って2人の元親友を仲直りさせようと苦心する。

 

        

 

 続いてディノッゾ捜査官の父親トニー・シニアは、今回もお騒がせ。クリスマスを祝おうと突然現れ、トニーのアパートに潜り込むが、隣家の女性とねんごろになってしまい、怒った息子に放り出される。

 

 さらにジヴァの父親でモサドの長官であるイーライ・ダヴィードも、突然DCに現れイランの諜報機関の長と接触する。DCに潜入した目的を問われると「娘に会いに来た」ととぼける。長い付き合いのレオン・ヴァンス局長の自宅で、いわくありげなディナーを摂っていると、暗殺者が襲ってくる。

 

 これで終わりかと思っていたら、終盤になってマクギー捜査官の父親も登場。長らく疎遠になっていた父親は、閣僚のイスも近いと言われる海軍大将。軍艦の艦上で起きた殺人事件の捜査にマクギーが出向くと、傲慢不遜の極みのような父親が待っていた。

 

 このシリーズ、登場人物の過去や家族をからめたエピソードを増やしてきていますが、今回は特にそれが目立ちました。何人ものライターと演出担当が、苦心して視聴者を楽しませようとしているのが良く分かります。