新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

マクギー捜査官の成長

 欧米への海外出張のフライトで、必ず見ていたのが「ネイビー犯罪捜査班(NCIS)」。スピーディなストーリー展開、アクションにユーモア、さらにサイエンスと意外な結末が揃っていて、楽しませてもらった。どのエピソードも往復見るので、大体3回以上は見た。往路では英語のレッスンも兼ねていた。そのDVDをBook-offで買うようになって1年になる。

  

 以前シーズン3までご紹介したが、今回はシーズン4。シーズン3からメンバーの変更はない。シーズン3最終話で重傷を負い、チームを離れていたギブス捜査官も戻ってきた。全24話を2度以上繰り返し見たのだが、やはり面白い。今シーズンの特徴は、シーズン2からレギュラー入りした「新米」ことマクギー捜査官が、一人前になっていたこと。

 

 エリートエンジニアで、デジタルに詳しくハッキングなどして存在感を出していたのだが、銃や格闘はまるきりダメ。元刑事のトニー捜査官には、ずっと馬鹿にされてきた。しかし尋問室にも入れば、逮捕の瞬間にも立ち会う。陰惨な事件にもしり込みしない、立派な捜査官に成長している。一方中堅のミステリー作家でもある彼は、このシーズンの1エピソードで、自分の書いている小説を先取りした事件にも遭遇する。

 

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 先輩格のトニー捜査官は、今シーズンは「女難」の傾向にある。やや存在感が薄くなった。ただいがみ合いっぱなしのジヴァ捜査官とは、夫婦の殺し屋役をやらされたり、二人で銃撃戦の末コンテナに閉じ込められたりしている。

 

 特典映像には、主なキャストが丸テーブルを囲んでドリンクしながら話し合うシーンや、ダッキー検視官の部屋の案内、スタジオの作り方、小道具の選び方などが紹介されている。まあ楽屋落ちなのだが、結構笑えた。いつも強面で冷酷ですらあるジェニー局長役のローレン・ホリーが、実はコメディ出身で3人の子持ち。撮影現場子供たちがやってきて「託児所」と化したこともあると、あるキャストが暴露していた。

 

 印象深かったのは「恐怖の殺人カー」のエピソード。運転席に一つ目のロボットが座っていて「自動運転」してくれるのだが、実験中に暴走し車内を密閉して毒ガスを吹きかけ助手席の人物を殺すというもの。2007年の制作だが、10年以上先取りしてのシナリオだった。終盤はジェニー局長の12年前に自殺したはずの父親の影が現れ、トニーの恋人の正体も分かって、シーズン5につながっていく。