新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

闘える日本軍へのヒント

 2018年発表の本書は、何冊か軍事関係の書を紹介しているCSIS上級顧問エドワード・ルトワック氏の「闘える日本軍への助言」である。ただ本書出版に時点では「COVID-19」禍もウクライナ紛争も始まっていない。筆者の戦略思考は、現時点ではうなずけないものが少なくない。例えば、

 

・米国はトランプ先生の思考になっていて、ロシアとは宥和、北朝鮮ともディール

・米国のライバルは中国だが、まだ紛争が起きるには時間がかかると見ている

・韓国文政権は北朝鮮よりで、日米の同盟国とはとても言えない

・(当面大規模衝突はないだろうから)地政学より地経学の方が重要

 

 というもの。ただ日本の戦略についてのヒントの中には、参考にすべきものも少なくない。自衛隊は闘えない軍隊だというのは、仰る通り。しかし以下のような点を考慮すれば、役に立つという。

 

        

 

・最大の脅威は北朝鮮核武装もして日本を射程に捉えている

・対北朝鮮戦では、韓国も米国も国連等もあてにならない

・そこで日本軍は北の核を無力化する方策を考える必要がある

・しかし核武装は無意味(北より日本の方が守るものが大きすぎるから)

・小規模な特殊部隊によるスカウティング(監視活動)で北の戦力を見える化する

・先制(長距離)攻撃の能力を磨き、見える脅威を速やかに取り除く

 

 というもの。反撃能力どころか先制攻撃能力ときた。F15に長距離ミサイルを積めるよう改造せよなどの話があるが、それよりまずは偵察能力が必要だろう。北が核ミサイルを撃つと確信できる偵察能力があれば、ミサイルサイトを攻撃してもこれは先制攻撃でなくて防御行動である。

 

 特殊部隊についての論説は参考になった。米国はじめ各国の特殊部隊は肥大化しすぎていて、本当に特殊な能力を競っている。これはあまり役に立たない。もっとシンプルに上記スカウティングなどに使えるよう、規模を絞るべきだとある。

 

 まあ、トンデモ戦略論の一つですが、上記のように参考にはなります。先制攻撃力ですか・・・。