新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

人気刑事ドラマをリメイクして

 このDVDは、米国CBSで2011年に放映されたシリーズ。かつて同じCBSで1968年から12シーズンに渡って放映された「Hawaii-5O」のリメイクである。旧作は純粋な刑事ドラマだったが、リメイク版はもう少し荒っぽく仕上がっている。

 

 舞台も同じハワイ、4人の主要な登場人物の名前も同じだが、キャラはずいぶん違う。例えばジャック・ロード演ずるスティーブ・マクギャレットは確かに海兵隊上がりだが、警察官の領分を越えるようなことはなかった。リメイク版は、ハンヴィー戦闘車両を攻撃ヘリが襲撃するシーンで始まる。アレックス・オロックリン演じるマクギャレット少佐は、SEALs出身の破天荒な男。知事の特命で組織した「5O」の特性を(過度に?)生かして、容疑者をサメ観察用の檻に放り込んだり、屋上から吊り下げたりする。

 

        

 

 「NCIS」などのヒットに影響されているのか軍事色が強まり、戦艦「ミズーリ」や原子力空母のシーンが何度か登場する。容疑者を追いかけるのに軍用ヘリを徴発することもある。ニュージャージーから娘(グレイス)に会いたさで転属してきたダニー刑事は、スティーブのハチャメチャさを嘆くのだが、本人だってグレイスのことになると頭に血が上ってムチャをする。汚職警官の汚名を着せられ離職していたチン刑事も復職し、その従姉妹コノも加わってチームが結成される。

 

 シーズン1を見た限りでは、NCISのち密さ・意外さ・ユーモアには届いていない。ただし、ワシントンDCよりもプライベートで行って馴染みのあるホノルルの光景は懐かしいし、やはり大自然の美しさは特筆ものだ。中国系や日系、韓国系の登場人物が多いのも土地柄。他民族の国ハワイならではの魅力である。

 

 チン役ダニエル・ディ・キムのアロハが、特に恰好いい。悪徳警官が着ていたのが残念だが、僕のお気に入りトリ・リチャードのアロハも登場した。英語の勉強がてら息抜きに見る価値は十分ありますね。