本書は、2023年に野村総合研究所が発行した、経営者向けの啓発本。テーマはサイバーセキュリティで、特に企業経営者に向けて、
・セキュリティというが、経営者にとってはどんなリスクなのか
・サイバー攻撃などによって、実際どのような被害が起きているのか
・セキュリティは重要だと分かったが、どうやって手を付けたらいいのか
・セキュリティに関するガイドライン、法令、フレームワークの概要はどうか
・産業界、政府の動向や、海外事情はどうなっているのか
を示すもの。「サイバーセキュリティは経営課題」だが、デジタル技術等に明るくない経営者にも知識が求められる。そのためのトレーニングプログラムはあり、今後も充実していくが、プログラムを受けるにあたっても最低限の基礎知識は必要だ。
そこで同社では、これらの基礎知識を手軽に得られるテキストとして本書をまとめることとして、7名の執筆者と3名のレビュアーを集めた。執筆者にはコンサルタント・企業での実務家・官僚OBの大学教授・業界団体の政策通が名を連ね、レビュアーとして業界団体でデジタル政策に通じた重鎮や大手企業の現役CIO/CISOが力を尽くした。
大きな流れとしては、企業は構造改革として「Digital & Global」に対応、言葉を変えれば「DX」に尽力しなくてはいけないのだが、そうすれば自動的にサイバーリスクを増すことになる。これを経営者が腹落ちできるためのイントロから、被害実態、自社にあてはめた場合のリスク、援けてくれるだろう政策などの環境等について、分かりやすい表現で記載してある。簡単に言えば「DX with Security」を経営方針として掲げる企業経営者のための「最初のテキスト」ということになる。
僕も本書の完成には少しだけ協力させてもらったので、何冊か送ってもらいました。知り合いの何人かに配ろうと思います。