新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

アバロンヒル(4/終)

 シミュレーション・ウォーゲームには、空戦・海戦・陸戦という区分のほかに、戦略級・作戦級・戦術級という区分がある。もっと細かくなって戦闘級というのもある。剣闘士のゲームでは武器や防具のほか、剣闘士の手足までコマになっている。今回は、、僕がアバロンヒルの最高傑作だと思っている戦術級"Squad Leader"。

 

        f:id:nicky-akira:20190413095531j:plain

 第二次欧州大戦の陸戦について、かなりの部分をカバーできる。これがオリジナルの基本キット。ドイツ軍・ソ連軍・アメリカ軍の、歩兵・工兵・砲兵・AFVが分隊レベルでコマになっている。
 
 ユニークなのは題名にもなっている「戦闘指揮官」が1人1コマになっていること。TVドラマ"Combat" のサンダース軍曹やヘンリー少尉は、1コマなわけ。このサイズの戦場でそれを支配するのは機関銃である。当然機関銃も1基1コマ。軽機・中機・重機の区別がある。ゲーム盤は、市街地・山間の村・平地・山岳地の4枚が入っていて、組み合わせて使うことができる。
 
 シナリオが12枚入っているほか、自作シナリオのガイドも付いている。基本キット発売後、アバロンヒルは雑誌"General" などで追加シナリオも発表している。
 
 もともとが歩兵と指揮官、機関銃が主役のゲームである。能力の高い指揮官が重機をもってトーチカに籠ったりすると手が付けられない。
 
 AFVは、脇役として代表的なもの数種類しか入っていなかった。その後、東部戦線(独ソ戦)用のキットで、AFVの種類が飛躍的に増えマニアを喜ばせた。さらにイギリス軍やフランス軍のキット、アメリカ軍の追加キットが発売されてゲーム盤も20枚を超えるくらいになった。
 
 バリエーションが増えたのは楽しいのだが、箱は4つになりとても持ち運びはできない。ルールもどんどん複雑になって分かりにくくなった。アバロンヒルはルールを整理するとして全システムを再構築、"Advanced Squad Leader" として再発売した。以前いろいろなAFVを映像で紹介したのは、"Advanced Squad Leader"のコマである。
 
 実際にゲームをしようと思うと、ルールを整理したとはいえ"Advanced Squad Leader" は複雑すぎる。そこで古めかしくはあるが、基本キットを手に取ることになる。30年以上、使い込んだゲームです。