新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

1944年6月6日

 僕の本棚にあるDVDは少ないが、その一つが「The Longest Day」である。言うまでもなく、第二次世界大戦のハイライト、ノルマンディ上陸作戦を描いたものだ。後に「プライベート・ライアン」でディーテールが描かれるが、本編の壮大なスケールには及ばない様な気がする。

 

 コーネリアス・ライアンの同名ノンフィクションをベースに、3人の監督がメガホンを取った作品。英国部分をケン・アナキンが、独国部分をベルンハルト・ヴィッキが、米国部分をアンドリュー・マートンが担当している。吹き替えなしだと、英語・ドイツ語・フランス語が入り混じってくる。3人の監督と言うだけで大作なのがわかるが、

 

ジョン・ウェイン 米軍第82空挺師団バンダーボルト中佐

ロバート・ライアン 同ギャビン准将

ロバート・ミッチャム 米軍第29歩兵師団コータ准将

ヘンリー・フォンダ 米軍第4歩兵師団ルーズベルト准将

・ピーター・ローフォード 英軍第3師団コマンド指揮官ロバット卿

クルト・ユルゲンス 独西部軍参謀総長ブルーメントリット大将

 

 といった主役以外に、ロバート・ワグナー、ショーン・コネリー、サル・ミネオ、ロディ・マクドウォールといった俳優が一兵卒でちょい役で出てくる。

 

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 1962年の製作なので、まだ当時のものが残っていてシャーマン戦車やジープ、小型船舶、小火器などは調達可能だった。ロバート・ミッチャムは自身が大戦中に着ていたフィールド・ジャケットで出演している。長身のショーン・コネリーは、米製のBARを持って上陸する。これが似合っていた。

 

 寒冷前線で荒れるドーバー海峡、数百隻の船に積み込まれ船酔いしている兵士、出撃を待っていらつく空挺部隊。大陸側では「連合軍を水際で追い落とす」と準備に励むロンメル元帥だが、嵐の間は上陸はないだろうとベルリンの妻のもとに誕生日の祝いの品を持って帰った。

 

 よく知られたストーリーだが、両陣営がある程度フェアに描かれている。僕が気に入ったのは、独軍第84軍団長のマルクス大将。連合軍は悪天候にノルマンディに来るという。兵棋演習では全勝だと豪語する大将は、シミュレーション・ゲーマーの目からは「英雄」である。

 

 久しぶりに見て感動しました。モノクロでも、3時間近い長さでも気になりませんでしたし。