新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

少子化日本の処方箋(後編)

 筆者は少子高齢化を「静かなる有事」とよんで、危機感を露わにする。では、その危機に対しての10の処方箋とは、

 

■戦略的に縮む

1)高齢者の定義をもっと高い年齢にし、高齢者数を減らす

2)便利すぎる24時間社会を止め、必要な労働力を減らす

3)コンパクトシティの考えで、居住エリアを減らす

4)都会と地方の合区など、飛び地での合併を可能とする

5)必須のものを除き、海外から調達できるものは国内生産しない

 

■豊かさは維持する

6)匠の技を活かし、少量生産・少量販売へビジネスモデルを転換する

7)転職を容易にし、必要な人材は国費学生として育成する

 

■脱東京一極集中

8)地方大学との連携により、中高年の地方での学び直しを増やす

9)居住地以外の自治体にも籍を置く、セカンド市民制度を作る

 

少子化対策

10)出産助成金の増額、特に第三子以降には1,000万円を給付する

 

        

 

 である。これらは全てうなずける施策ばかり。コンパクトシティは居住権の抵抗があって容易に進まないが「有事」となれば個人の権利の制限もやむを得ない。また別ブログで「東京23区解体論」として都会と地方の合区を提案したが、4)や9)などすでに提案があったことを知った。

 

東京23区解体論(前編) - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 第二作では、我々が出来ることも紹介してあって、

 

◆個人で出来ること

1)働けるうちは働く

2)1人で2つ以上の仕事を持つ

3)家の中をコンパクトにする

 

◆女性として出来ること

4)夫の死後のことなど、ライフプランを描く

5)年金受給開始年齢を引き上げ、起業する

 

◆企業が出来ること

6)全国転勤をなくす

7)テレワークを活用する

 

◆地域が出来ること

8)商店街は時々開くだけにする

 

 女性について特に取り上げているのは、今の僕らの年齢なら女性の4割は90歳以上まで生きるはずだから。夫に先に死なれても生活に困らないプランがいるという。考えさせられた2冊、とても勉強になりました。