新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

インバウンドの津波をくぐりぬけ

 今年、家内が大学時代の友人たちと京都に一泊旅行をしてきた。「大人の京都が割と良かった」とのことで、夫婦での京都旅行を計画しようと思う。その参考にと買ってきたのが本書(2012年発表)で、日経紙の京都支社が、

 

・お勧めの京都

・京都の楽しみ方

・地元ならではのトリビア

 

 を紹介してくれる。京都の人は意地悪と言われるが、顔の見える範囲しか信用しないコミュニティ文化が強いということらしい。「一見さんお断り」という店が多いのも、クレジットシステム(*1)が独特で、掛け売りの請求書を廻すときのリスクヘッジがしたいから。ただ、最近は表にメニュー(代金)表を掲示している店も増えてきた。こういう店は、一見さんでもOK。ストレートにそのような書かないのが、ひとひねりした京都流。これを、他国の人は意地悪ととるのだという。

 

        

 

 参考になったのは、十指に余る世界遺産と鉄道の最寄り駅のリスト。交通渋滞がひどいときがあるので、確実なのは鉄道移動である。さらに雨の時に映えて、行きやすい観光地のリストも嬉しい。アーケードが続く錦市場は、買い物と観光が両立できるところだとある。

 

 家内が先日の旅行で巡ったという、伏見近辺の情報も満載だった。京都の南で独自の文化と伝統を誇るエリア。良質の水に恵まれ、酒どころとしても有名だ。灘の日本酒が力強い「男酒」なら、伏見のそれは繊細な「女酒」。

 

 昨今は古い町屋を改装して、戸建ての貸し切りコンドミニアムとする例も多くなった。大勢宿泊できるので、頭割りすれば安くなるし、キッチン等も充実しているので仲間だけで気兼ねなく暮らせる。町屋だけでなく、寺院を借り切って座禅修行など、体験メニューも豊富だとある。

 

 うーん、目移りしてしまいますが、何かに目的を絞っての京都行きを、何度か重ねるのがいいような気がしてきました。インバウンドの津波をくぐりぬけながら・・・ね。

 

*1:VisaやMasterは含むが、もっと広く売掛け回収システムのこと