ボードゲームメーカーは、シミュレーション・ウォーゲームのほか、いろいろなゲームを作っている。一時期のシミュレーション・ゲームの流行が、ビデオゲーム等の台頭で廃れた後、アバロン・ヒルを買収したのは子供向けゲームを含む玩具メーカーであるハズブロだった。かつてどのようなゲームがあったかというと、
・スポーツゲーム アメリカンフットボール、野球、バスケットボール、ゴルフなど。
・ビジネスゲーム 国際金融、ホテル経営、アフリカ探検など。
今回は「ファンタジーゲーム」を取り上げたい。有名なのはTSR社の"Dungeons & Dragons"。テーブルトークともいうロールプレイングゲームである。ご存知ない向きには映画「指輪物語」を思い出していただきたい。魔法使いや小鬼などが出てきて、最後は地下迷路でドラゴンと戦うなどというもの。プレーヤーは自分の分身たるキャラクターを動かし、サイコロを振って物語を進めるもの。
同じような舞台でも、より戦いに焦点を絞ったものもある。それがこの"Titan" 。戦略マップ上には、沼地、砂漠、森林、平地、火山などの地形が巧妙に配置されていて、プレーヤーの軍団はサイコロの目に従って歩を進める。止まった地形で条件が合えば、その地形を棲みかとする生物を配下に加えることができる。例えば、
平地 ライオン(5-3)、レンジャー(4-4)
火山 ミノタウロス(4-4)、ドラゴン(9-3)
森林 ベヒモス(8-3)、サーペント(18-2)
のような生物がいる。数値の前部分は体力、後部分が能力を示していて、両方とも大きな数値ほど強い生物である。ひとつの軍団には7個の生物までしか加えられないが、軍団は機をみて分割することもできる。戦略マップ上に自分の色の軍団が増えていくのを見るのは楽しい(逆は寂しい)。
戦略マップ上で複数のプレーヤーの軍団がぶつかると、戦術マップへ移行して戦闘開始となる。相手の生物を全滅させたら勝ち。両軍合わせて14枚のコマ(生物)しか出てこないしマップも小さいが、戦術的なコマの動かし方はそれなりに考えないと勝てる戦いを落としたりする。ルールがシンプルなので、戦術マップの立ち回りなどは他のゲームのための訓練にもなる。ファンタジーの世界に浸れて、戦術の勉強にもなる好ゲームである。
<続く>