新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

泥縄のイタリア勉強

 昨年6月に夫婦でローマ旅行に行ってとても良かったので、また行くことにした。今度は冬、初夏とは違うローマを見物したい。その前にちょっとイタリア事情を勉強しておこうと思って、本書を買ってきて読んだ。

 

 2003年の出版でやや古いが、かの国は3,000年の歴史を持っている。情報が多少古くても問題ないほど、生活や風習は変わらないと思うから。作者はフランス人の夫と1986年からイタリア暮らし。ご主人がイタリア人ではない分、客観的なイタリアの評価ができるだろう。イタリアと言えば、

 

 ・時間にルーズ、10分程度の遅れなら「時間厳守」のうち。

 ・お世辞がうまい。特に女性に対しては、初対面でも堂々とほめる。

 ・陽気で冗談好き。冗談を解しないと仲間に入れてもらえない。

 

 くらいの印象で、これらのことは本書でもそうだとある。印象と違っていたことも数点あって、

 

 ・掃除好きで、汚れる前に掃除するくらい徹底している。

 ・マンモーネ(お母さん子の男子)は尊敬される。

 ・シャツや靴下はおろか、トランクスまでアイロンがけする。

 ・ラードをオリーブオイルに変えて、超太った人は減った。

 ・アモーレの国で愛人や浮気が頻発なのだが、離婚は少ない。

 

 というのには、ちょっと驚いた。

 

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 オリーブオイルはイタリアでは昔から富裕層は使っていたはずだが、庶民もラードをより高価なオリーブオイルに変えていくことで健康増進が図れたようだ。経済力が上がったからだろうが、厚生労働行政の成果なのかもしれない。

 

 離婚が少ないのは、結婚にやたらとお金がかかるからだと本書にある。まあ日本でもお金というより市役所に届けるなどの手間が大変で、電子行政に詳しい某教授は「二度と結婚なんかしないぞ」と怒っていた。

 

 鉄道の遅延も、ストライキのような特殊事情でなければそんなにひどくなさそう。ただ、遅配・誤配は当たり前の郵便事情はひどいようだ。日本郵政の郵便会社の指導があれば・・・と思う。(冗談だが)

 

 最後に、イタリア人が怒り出す「なじり言葉」を教えてもらったのがいい。「Sei un antipatico」(お前は不愉快な奴だ)というのがそれ。容姿や知能をバカにされるより数倍グサリと来るらしい。もちろん旅行で使うつもりはない。欧州政府の役人に気に入らないヤツがいてイタリア人なので、そいつに今度会ってケンカになったら言ってやるつもりです。