SFはあまり読まない僕だし、ましてやスペースオペラというジャンルは全くといっていいほど読んでいない。E・E・スミスのレンズマンシリーズなど、手に取ったこともない。それでも、このシリーズだけは読んでいた。高千穂遥のダーティペアシリーズ。「S-Fマガジン」に最初の短編が載ったのが、1979年。長編7作、外伝1作、より子供っぽいFLASHシリーズが3作ある。見てはいないが、アニメ化されて放映されたこともある。本書は長編の5作目で、2004年の発表である。
二人は犯罪トラブルコンサルタントとして、問題の発生した惑星に派遣される。事件は単なる犯罪のレベルを超え、大きな陰謀が隠されていた。従って、惑星を揺るがす大騒動になるわけだ。最初は大人しく捜査している二人だが、そのうちじれてきて「うっさい」とか「ざけんじゃないわ」と叫んでヒートガンをぶっぱなすことになる。
事件後、その惑星の少女から彼女たちに届いた手紙には、「皆さんのおかげで悪い人たちはいなくなりました。しかしいい人たちもいなくなりました。というより惑星そのものがなくなってしまったのです」と書いてある。コードネーム「ラブリーエンジェル」の二人が、陰では「ダーティペア」と呼ばれるゆえんである。
20年ぶりに読んで、相変わらずハチャメチャだけどまあこんなもんかなという印象もあります。もうこれは理屈じゃないですね。たまにはこういう肩に力の入らないものもいいですね。