新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

異文化だからこそ、大好き

 僕ら夫婦の国内での旅行先と言えば、一番多いのは函館、次は宜野湾である。沖縄には10余年前に仕事で行って、それからちょくちょく通うようになった。一時期中国からの観光客(ビザ不要のエリアなので)に締め出されていたのだが、昨年3年ぶりに1週間の滞在ができた。

 

3年ぶりのムーンオーシャン - Cyber NINJA、只今参上 (hatenablog.com)

 

 降り注ぐ陽光と独特の音楽、ゆったりと流れる時間が大好きなのだ。そんな思いで手に取ったのが本書。2002年に発表された「沖縄人解体新書」をリライトしたもので、少し古いがウチナーンチュの本質が変わるとは思えない。筆者の仲村清司氏は、大阪生まれのウチナーンチュ二世。彫りの深い顔立ちなどから、子供の頃は「ガイジン」とあだ名されていたという。

 

 しばらくは東京/大阪から両親の故郷沖縄を見つめていた筆者だが、ある時沖縄移住をする。行ってみての沖縄は、また違う世界だった。筆者はその体験から、沖縄の真の姿をヤマトンチュに分かってもらおうと紹介を続けているわけだ。沖縄文化は、

 

・テーゲー(大概)主義 大まかに受け止める楽天指向

・ナンギー(難儀)主義 些細なことでも難事と捉え、5分も歩かずタクシーに乗る

・ナンクル主義 困ったことになっても「ナンクルナイサー」と躱す

 

 に代表されると、筆者は言う。

 

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 長男が家督と墓を継ぐこと、モヤイと呼ばれる頼母子講の一種が残っていること、血族(門中)の結束が固いことなどは、僕が尾張の地で産まれた60余年前のそれに似ている。懐かしさも覚える一方で、男があまり働かず女性は「妻・母・主婦」としてバイタリティ豊かに働くというのは、少し男が甘えすぎのようにも思う。

 

 現実に沖縄は離職率・転職率が全国一、離婚率も一位なのだそうだ。沖縄の男は一般に内向的なのだが、酒が入るとDVに走るケースも少なくないらしい。さらに情けないということだ。ちなみにそのお酒、言わずと知れた「泡盛」なのだが、沖縄人は相対的に酒が強く、呑み始めたら止まらない人も多い。

 

 今夜呑もうかとなると「夜に合おう」と約して別れる。時間は決めないのがウチナーンチュ流、全部のメンツが揃うのはPM11時ころ。そりゃ午前様にもなるわね。翌朝役に立たなくても仕方ない。うーん、懐かしいようで異文化!でも好きですね沖縄。