新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

なるほど右翼はこう考えるのね

 「小さな政府 vs. 大きな政府」が遠くなってしまって、いまや「大きな政府 vs. もっと大きな政府」の選択肢になってしまっていると嘆いている僕だが、政治家(政権ではない)の選択には「保守 vs. 革新」というものもあったことを、本書のタイトルを見て思い出した。タイトルだけ見て買ってきて、読み始めると・・・これはネトウヨどころではない、筋金入りの愛国者の意見だなと理解した。

 

 筆者の森口朗氏は教育評論家、元東京都の職員だった。2020年発表の本書は冒頭に「安倍内閣は日本に数十年ぶりに誕生した、非売国的な内閣です」とある。野党第一党立憲民主党は「リベラルを詐称した共産主義の末裔」で、社会民主党は「社会民主主義を詐称した共産主義革命の過激集団」と切って捨て、むしろ共産党は「正直に共産主義革命を目指す政党」と一定の評価をしている。返す刀で、自由民主党の中にも「保守・愛国を詐称しながら、中国・北朝鮮・韓国の媚びを売り売国行為を重ねている」政治家はウヨウヨいるという。

 

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 朝鮮総連のいうがままに北朝鮮への食糧支援を強行したN幹事長には、コメの代金のピンハネ疑惑もあるという。種々の虐殺を繰り返す中国政府を国際社会に認めさせるために、天皇陛下まで利用したのがM総理だとの告発もある。筆者の突き上げは、

 

・パチンコを放置しながらIR法案を通そうとすること

女性天皇から女系天皇への道を開こうとすること

・実質的に「移民」を受け入れながら、それを認めないこと

・働かない老人を量産した、誤った年金制度

日教組によって低レベル国民を産み出しながらそれを放置したこと

 

 など多岐にわたる。それというのも「9条を守れ、社会福祉をもっと出せ、中国などと仲良くしろ」と騒ぐ左翼よりさらにバカな、自民党「保守」政治家の存在のせいだという。じゃあどうするべきかと思っていたら、最後に「ワンイシューポリティクス政党」が出てくることを期待しているようだ。例えば、

 

・中国などへの経済支援は絶対しない党

・パチンコは違法だと認めさせる党

・太平洋戦争は侵略戦争ではないとの教育を徹底させる党

 

 のようなものらしい。これまで紹介してきた「より大きな政府」論に真っ向から反対の立場で、それは共感できるのだが、皇室や歴史教育などではちょっとついていけない考え方。まあ、こういう思想もあるのだとの勉強にはなりましたね。