新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

オール沖縄、タイムズ・新報

 昨日、元自衛隊当幕僚長だった折木良一氏の「国を守る責任」を紹介した。2017年発表の本書は、もう少し市民目線に立った「沖縄・国防論」である。知念章氏は元防衛省職員、しかしデジタル系の技官として補給処勤務だっただけで、制服組ではない。生まれは那覇琉球王朝の有名な高官「護佐丸」の子孫である。ただ子供の頃に内地に移り、長く内地で暮らしていた。しかし沖縄の危機を知り、50歳の頃沖縄に戻ったという。

 

 本書には、天皇家の事、日中戦争に至る歴史、沖縄戦の日本軍の事など、少し右寄りバイアスがかかった分もあるが、琉球人・内地人どちらのこともわかる市民が、現在の沖縄をどう見ているかは参考になる。

 

 まず沖縄の有力2紙「沖縄タイムズ」と「琉球新報」によって、沖縄の市民は洗脳されていると筆者はいう。確かに両紙の偏向報道はひどいもので、反米軍・反中央政府・沖縄への支援は不足という論調は、終始一貫している。

 

 もともとは米軍が沖縄を統治していた時代、米軍を「解放者」と位置づけるために、旧日本軍を悪者にした。それゆえ沖縄では、中国本土や朝鮮半島と似た「反日思想」が埋め込まれてしまった。それは本土復帰後、「反米軍」も含めて増幅される。

 

        f:id:nicky-akira:20211002111411j:plain

 

 その世論づくりの中心となったのが、先に挙げた両紙。新聞を読む人は高齢者が増えたこともあって、上記の論調を外すと売り上げが減りかねない。ますます先鋭化していくわけだが、両紙しか情報源のない人が沖縄には多い。

 

 かつては、両紙に批判されながらも保守系知事が当選することもあったのだが、中央政府民主党政権が出来たり、県自民党重鎮が「オール沖縄」として革新系とてを結んだりして様相が変わった。今(2017年)や、反米・反中央政府の流れは大きくなり、独立機運すらあるという。これは中央政界の左翼系団体や、中国・北朝鮮政府からの工作が沖縄を覆いつくしているからだと筆者は言う。

 

 昨日の書にもあったように、沖縄は中国海軍が太平洋に出るための障壁。ゆえに尖閣諸島は「核心的利益」だし、琉球はもともと中国領だという主張である。沖縄の市民を早く洗脳から解き、防衛力を強化せねばならないと筆者は言う。

 

 最近、その兆候も見られますよね。「オール沖縄」のバックボーンだった「かねひでグループ」のTOPは自民党支持に変わったようです。日本の一部野党や習大人の謀略から、琉球の人々を救わなくてはいけませんね。