新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

登場人物たちの過去

 このDVDは、ご存じ「ネイビー犯罪捜査班:NCIS」のシーズン6。リーマンショック時の前シーズン5は、ジェニー局長の殉職に伴って新局長になったヴァンスが、ギブスチームに辛く当たり、解散させることで終わっていた。トニーは空母勤務、ジヴァは帰国、マクギーは暗号部署に転属、ギブスの下には3人の新メンバーが配属される。

 

 この番組は日本で言う下期に放送されるので、夏の間はお休み。その夏にはヴァンス役ロッキー・キャロルはネット上でさんざん叩かれたらしい。確かに爪楊枝を咥えるしぐさも嫌味だったのだが、シーズン6では彼もヒーローのひとりに変貌していく。「伝説のボクサー」では、彼もプロボクサーだったことが分かる。

 

 ヴァンス局長だけでなく、本編には登場人物の過去に絡んだエピソードが多い。検視官マラード博士は、英軍の軍医だった時代に捕虜を虐待死させたとして遺族に襲われる。ギブスも生まれ育った田舎町が事件にからんできて、マクギーとジヴァを連れて「里帰り」する。実父を紹介し過去に思いをはせるシーンは印象的だ。新兵として街を離れる時であった娘は、彼の最初の妻になる。若い二人が出会うシーンでは、ギブス役のマーク・ハーモンの息子が父親の若いころを演じた。

 

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 例によって謎の多い女ジヴァには、全編を通じてモサドの暗殺者マイケルの影がちらつく。ジヴァの父モサドダヴィード長官の手先で、ジヴァとは幼馴染らしい。この2人にトニーがからむ三角関係も、視聴者の興味を惹くだろう。

 

 「アリゾナからの便り」は西部劇タッチの1編。アリゾナ州の鉱山に向かうギブスとトニー、車も通れないというので現地の保安官の案内で馬にのることに。そこに襲い掛かるヘリコプター、アサルトライフルを撃ちまくる敵にギブスは保安官の馬の鞍から旧式ライフルを取って狙いを付ける。アフガニスタンでの名狙撃手だったことを彷彿とさせるシーンである。

 

 終盤、前後編構成になった「ロサンゼルス潜入捜査班」は次のシーズンからスピンオフとして放映されるものの予告編。女性指揮官のもと、潜入捜査得意のカレン、元SEALsのサムなどが活躍する。

 

 このシリーズ、どんどん面白くなってきました。6シーズン目になって登場人物への視聴者の「馴染み」も出来たことで、ホームドラマっぽい味も出てきました。次にはスピンオフも買ってこようと思います。