新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

本書は本棚ではなく・・・

 僕の本棚のPHP文庫と言えば、大半は戦史・戦記もの。しかし例外もあって、本書のような柔らかめのものもある。2008年の発表で、監修者の原子嘉継さんはマスター・ソムリエ。ワインは決して難しい飲み物でもなく、長い人類の歴史の中で作法は作られてきたけれど、決してとらわれる必要はなく気軽に楽しむための「入門書」が本書だとある。

 

 以前だったら(入門書とはいえ)、本書の内容は頭に入らなかったと思う。しかし「COVID-19」禍の副産物で、当家でも居ながらにして世界のワイン、それも1.5級程度のものを呑めるようになったのが状況を変えた。第一章の基礎知識編は、おおむね理解できているし、第二章の楽しむための知識がなんとか理解できるようになっていたからだ。いくつかポイントを挙げると、

 

・香りは開栓後の変化を楽しむ。

・「高い=いい」ワインではない。

・飲み頃の温度は、白:6~10度、軽めの赤:12~14度、重い赤:16~20度

・合わせるチーズは、白:モッツアレラ・カマンベール、軽めの赤:ゴーダ、チェダー、重い赤:青かびタイプ

・最良のワインセラーはお店(自宅に長く置かないということ)

 

 などが挙げられる。

 

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 さらに第三章がすごい。各国の代表的/おすすめワインが絵入りで70銘柄以上も紹介されていて、すでに経験済みの種類も10ほどはあった。ここにはフランス・イタリア・ドイツ・スペイン・アメリカ・チリ・オーストラリア・日本の産地の簡単な地図も載っている。フランス・イタリア・スペインはほぼ全土が産地だが、ドイツはフランクフルト以南、アメリカはカリフォルニア州にほぼ限定されるとある。

 

 代表的ワインはどうしても高価なもの、ロマネ・コンティオーパス・ワンなどちょっと庶民では手が届かないものばかり。日本のシャトー・メルシャンだって12,000円以上する。これまで呑んだ最高級がブルゴーニュのジベリイ・シャンベルタン(6,000円~)とあって、まだまだ研鑽(お財布も)が必要だと思う。

 

 呑んだことがない銘酒が60種もあるというのは、嬉しいことです。本書は本棚ではなく、ワイン棚に常備しておくことにします。