3月に韓国大統領選挙があるのだが、それを前にして与党・野党・もうひとつの野党の候補者が、暗闘を続けている。人気だった野党候補者は、内輪もめで選挙対策本部を解散させるし、与党候補者は「髪の毛の植毛」などと意味不明の政策を主張している。日本人には全く理解できない「選挙戦」である。その背景には、大統領を辞めると例外なく逮捕起訴されてしまうという実態がある。廬武鉉大統領だけは検察捜査中に自殺して、逮捕はされなかった。
慰安婦問題・徴用工問題・竹島問題はもちろん、本書(2019年発表)で大きく取り上げている「P-1哨戒機に対する射撃レーダー照射事件」など、紛争のタネには事欠かないのが日韓関係。本書によれば、反日教育は徹底していて、
・古代に野蛮な日本人に文化を伝えたのは朝鮮民族
・対馬は韓国領だが、350年前に日本が奪取した
・20世紀はじめ、日本は朝鮮半島を侵略、植民地化した
・植民地支配は苛烈なもので、半島民の近代化の芽を摘んだ
・獨島は韓国領だが、植民地支配時代に奪われた
・慰安婦は日本軍によって強制連行され、性奴隷とされた
という「歴史」を繰り返し教え込む。これによって若い世代ほど反日になるのだという。
例えば2013年、38歳の酩酊した男が95歳の老人を殴り殺した事件。老人は「日帝支配は良いことだった」と言って、激高した男に殺された。これに対して心身耗弱の傷害致死で懲役5年の判決が出ると、
・日帝が良いと言った時点で(老人が)犯罪者、殺して当然
・むしろ(酩酊男は)英雄、なぜ有罪とするか?裁判官は売国奴だ
とのネット世論が渦巻いた。韓国は表面上民主主義の国だがそれは「幻想民主主義」で、民族的に「北」のような独裁制が似合うと筆者はいう。親北の文政権では、政府はもちろん司法界も「北」に支配された状態だともある。核実験、ミサイル実験の成功は「民族の誇り」なのだそうだ。
この厄介な隣人とどう付き合うか、本書は筑波大学古田教授(歴史学)の言葉を引用して、「日本国民はあくまで<助けず・教えず・関わらず>の非韓3原則で対応、日本からの援助を求める韓国内の声に耳を貸してはならない」と示している。
うーん、主張は分かりますが、世界経済の中で10位以内の実力を持つ国です。全く関わらないわけにもいかないでしょう。もう少し現実的な「トリセツ」かと思って読んだのですが・・・。