新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

「COVID-19」は何を変えたか

 本書は、昨日紹介した「めいろま」さんのアドバイスVol.2。2020年末の発表で、「COVID-19」禍で世界が大きく変わった後の、日本と世界を考察している。日本でも政府の「COVID19」対応は批判を浴びた。初代担当大臣西村議員の著作の評判も悪い。しかし、筆者によれば各国の対応もひどいものだったとのこと。何しろ、2020年夏の時点で日本の死者は600人あまり、人口が半分の英国では3万人以上が死に、しかも死因を厳密にした統計で、実態はその倍死んでいるという。

 

 欧米ではマスクの習慣がない。ないというより、マスクをしている人は非常識か怪しい人との認識がある。食事の前に手も洗わないし、ゴミは散らかし放題、当然土足で屋内を歩き回る。加えて日本など比較にならない格差社会で、モラルも低く社会の隅々まで何かを浸透させることが不可能。イングランドでは、10%ほどの市民が麻薬の常習者だ。ルールを破ることが「Cool」だと芯から思っている若人で、街は溢れている。

 

        

 

 政府関係者や大企業TOPなどのエリートにも、問題がある。十分なデータを集め、しっかりした分析をした後でないと決断しないのだ。これは失敗した時の責任逃れのためで、時間が十分とれるビジネスならカンに頼る経営より優位だが、初めて体験するパンデミックのような事態では後手後手に回る。そんなわけで、日本の政府や市民の対応には各国が一目置いたとある。

 

 面白かったのは英国王室のスキャンダル、ハリー王子とメーガン妃の件は日本でも報道されるが、筆者によるととんでもないことが起きているようだ。

 

・王室ブランドでWebサイト構築、商標登録してカネ儲けに走っている

ニートするけど、王室関連費用(4億円近い)はいままで通りよこせという

・王室の種々のイベントにも敬意を払わずわがまま放題

 

 の上に、責められると「人種差別だ」と逆ギレする。怒った女王は自分でランドローバーを運転し、スコットランドに行って猟銃をぶっ放してウサを晴らしているらしい。これに比べれば、どこかの「小室騒動」など可愛いものだ。

 

 前著にはなかったのですが、筆者の専門は、内部統制・ITガバナンス・プロセス統制と僕のそれに近いものです。オンライン教育が英国で進められるのは、そのようなコンテンツが少ないから。日本ではNHK教育TV始め豊富なコンテンツがあるから、逆に進まないとの指摘は正しいですよ。