普段、本屋と言えばBOOKOFFしか行かない僕だが、この日丸の内オアゾの書店にふらりと入った。雑誌コーナーを見ると、懐かしい軍事史もの(歴史群像)が健在だった。その隣にあったのがこれ。発行社は(株)ジャパン・ミリタリー・レビュー、発刊1966年。50年以上続く、防衛装備品の専門誌である。一時期、新兵器情報を知りたくて3ヵ月に1度くらいは買っていた。当時800円くらいとおぼろげに記憶しているが、今は1,300円。
軍事史や兵器開発物語の連載などもあるのだが、本誌の特徴は中ほどに6ページある「防衛産業ニュース」。先月、どの会社がどんなものを受注したか、それはいくらか等々がまとめてある。官報を見ればわかりそうなものだが、付加価値として防衛省の関連動向、各社の開発動向、さらに海外メーカーの狙いや売り込み先などが記されている。
なぜ本書を買う気になったかというと、決して表題の「プーチンと悪の枢軸」が読みたかったからではない。正面装備中心の情報誌だったが、20年経って、
・継戦能力、弾薬・部品等の補給
・自衛隊員の訓練や処遇改善
・サイバー空間での戦闘力と装備
などの話題に触れているかどうか知りたかったから。結論からいうと、まるきりダメ。相変わらず先端的な兵器開発、導入の話ばかり。先端技術・最新鋭兵器なんて、実際闘ってみるまで真価はわからないのだから。やっぱり「防衛産業のための情報誌」の枠を超えていないなと思った。
役に立つ記事がないわけではない。イタリア海軍の新鋭空母「カブール」のレポートは面白かった。特にムッソリーニの時代から、法律によって海軍は航空戦力を持てないので空母は不要だったということには呆れてしまった。まあ、地中海だけ抑えればいいなら、半島や諸島に航空基地をおけば十分ではある。
日本が闘える戦力を持つにはの議論がある中、ちょっとがっかりした雑誌でした。