新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

食にレジャー、死ぬまで楽しもう

 いくつか「生き方」を解説してくれたのが、大前研一氏。まだ30歳のころ「企業参謀」を読んで、本当に大きな企業で参謀役を目指すきっかけを作ってもらった。著者はそろそろ80歳だが、本書にもあるようにとてもお元気。バイクに乗り、スキューバで潜り、スノーモビルを走らせているという。

 

 本書は2019年刊の「50歳からの稼ぐ力」を加筆修正して、2021年に新書版で再版されたもの。タイトルを見ると、年金不安もあるので死ぬまで働こうという主張に見える。その面はあるのだが、半分くらいは「定年後のお金の使い方」の指南書に思える。特に最終章「稼いだお金は死ぬまでに使い果たそう」は、僕の心に残った。

 

 困窮している高齢者の報道は多いが、実際には「小金持ち」の高齢者が多い。フローは少なくてもストックがあり、使いきれなくて死ぬときに資産が最大になるケースも少なくないという。

 

        

 

 本来人生に「定年」などはないのだが、サラリーマンなら一区切りの時。それ以降は例えば15万円/月ほどの収入を現役時代から用意しておいて、働きながら存分に楽しむべしとある。現役時代からの用意は、例え窓際族でもそれなりの企業に勤めていれば機会は十分ある。

 

 DXでルーチンワークが減り、クラウドでIT関連部門も減員可能、さらにAIでスペシャリストも減ることになる。そんな労働環境では、50歳を越えたサラリーマンは特殊能力を磨かないといけないとある。

 

 一方で健康寿命も伸びているから、食べ物もレジャーも存分に楽しむべきだと筆者が勧める。だから「GoTo」などより、

 

・料理大学を作って人材育成

・美食の街を地域毎に売り出す

 

 すべきで、ここで稼ぐことも楽しむこともできるという主張だ。

 

 最後にFinanceでは、ファンドラップは手数料を取られるだけ、アパート経営はトラブル多、仮想通貨は先行き不透明とのアドバイスがありました。分かりますけど、ファンドラップは面倒くさくないリスクヘッジだと思って続けることにしますよ。