ヴォローディン大統領は国営TVの美人ニュースキャスターを使って、
・NATOの東方拡大
・カリーニングラードの危機
・米国ライアン大統領の好戦的な所業
を喧伝、インタビューでもそつのない応答をして市民の結束を呼び掛ける。一方ライアンの方は、NATOの首脳会議でもロシアのプロパガンダに邪魔されて外交が進められない。やむなく2,000名ほどの海兵隊をリトアニアに送って防衛戦をさせることになる。
2)の核ミサイル原潜は米国東海岸の所定の位置に着き、万一米国がロシアにあからさまな敵対をすれば、DCなどを消し去ることもできるようになった。バルト海には新旧3隻の潜水艦も配置に付けた。リトアニアを東西から侵攻できる兵力数万人も準備が整った。ここまでは思惑通りの作戦展開が出来たヴォローディンだが、リトアニアで工作を続けていたセルビア人傭兵隊がシャベスらに捕獲されて躓くことになる。
第4巻に入るころから事態は急速に動き始め、
・バルト海でのロシア潜水艦対米国駆逐艦、リトアニア軍艦、ポーランド軍艦の戦い
・ヴァージン諸島での人質奪還を図るクラークの孤独な戦い
・ブリュッセルでの国際エネルギー会合を狙う大規模テロ
などが並行して描かれる。ロシアはリトアニアの首都ヴィリニュスを100名ほどのスペツナズを使って混乱させ、空港奪取を図る。その後機甲部隊を突入させるのだが、貧弱な装備のリトアニア軍が意外に健闘し、一握りの海兵隊は<早期歩哨>という新兵器を使って機甲部隊を喰い止める。これは従来比5倍の速度で兵力を位置に着かせることができるインテリジェンス兵器で、作者の空想かどうかはわからない。
2022年ウクライナで起きた「ジャベリンがロシア軍戦車を葬るシーン」が、7年前に描かれていました。さて、プーチン氏の末路はヴォローディン大統領と重なるのでしょうかね?