新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

コンパクトなガイドブック

 京都の夏は暑いという。冬は底冷えするともいう。でも魅力的な観光地で、一度ちゃんと勉強したいと思っていた。そこで、2012年発表と少し古いものだが本書を買って来た。現地に詳しい11名の専門家の共著で、編者は説話伝承学芸会員の山嵜氏ら。秋になったら家内と出かけようと思っていて、その予習である。来年のNHK大河ドラマは「紫式部」だそうだしね。

 

 本書に紹介されているのは京都府(意外と日本海側の部分が大きい)全体だが、中心はやはり京都市。観光対象になる、

 

・伝承、説話、文学、芸術

・行事、寺社、祭礼、宗教

平安時代から現代までの重厚な歴史

京野菜などの特産品、西陣織などの工芸品

・山あり川あり、自然豊かで野鳥や鉱物も多い

 

        

 

 など、すべてが詰まった街だ。お酒好きの僕としては、伏見の銘酒が産まれた理由は東側の桃山丘陵からの良質で豊富な伏流水だったとする解説が興味深い。ほかにも、行ってみたいいくつもの場所が、歴史の裏話も含めて紹介されている。

 

金閣寺を作った足利義満は、天皇外戚になって「民間人初の上皇」を目指した。

坂上田村麻呂は、東北遠征にあたり清水寺を建立して必勝祈願をした。

・鬼退治に豆を撒く風習は、牛若丸を育てた鞍馬寺が発祥の地。

・「本能寺の変」当時の本能寺は、油小路通蛸薬師あたりにあった。

松花堂弁当のルーツは画家でもあった僧が、絵具箱をイメージして創作したもの。

 

 一番役に立ったのは、グルメマップと祭りマップ、世界遺産マップ。これらを抑えて置けば、一通りの「ニワカ京都通」になれるだろう。

 

 定番のガイドブックのように嵩張らないし、観光ポイントをざっと把握できるのが良かったです。細かな地図や交通案内はスマホで十分ですしね。さて、旅行日程作成に取り掛かりますか。