新城彰の本棚

ミステリー好きの自分勝手なコメント

コロンボ警部、健康法に悩まされる

 1974年発表の本書は、久しぶりに未読作品を見つけたW・リンク&R・レビンソンの<刑事コロンボもの>。健康ブームのロサンゼルスで、アスレチック・クラブのオーナーであるユージンがバーベルの下敷きとなって死んだ。彼は自らのクラブも属するスポーツコングロマリットの社長ジェイナスの不正を暴こうとして、彼に殺されたのだ。

 

 ジェイナスは小金を持った人をリクルートしてクラブなどを開かせ、そこには自分の会社から高い値で用具などを売りつけて儲けていた。しかも上がりをトンネル会社を使って海外に隠し、脱税もしていたのだ。ジェイナスは50歳代だが、ストイックな健康法と日々のトレーニングで20歳代の若さを保つ広告塔でもあった。元国防省に努めていたユージンも、今の体力ではジェイナスに敵わない。ジムの中を逃げ回ったものの、最後は扼殺されてしまった。

 

        

 

 しかもジェイナスは電話に直結したレコーダーに仕掛けをし、自宅でパーティ中にユージンから電話がかかってきたと偽装していた。すでに殺していたのだが、レコーダー相手に一人芝居をすることで、アリバイを作ったのだ。警察も当初は事故を発表するが、なぜか殺人課のコロンボ警部が関係者に聴取をしている。実は以前ジェイナスが脅した別のクラブの経営者が、ロス警察にジェイナスが怪しいと密告していたのだ。また被害者の未亡人が、夫が残した微かな手掛かりでトンネル会社の存在を疑い、専門家に調べさせてもいた。

 

 ジェイナスの周りにコロンボがまとわりつき、ジェイナスは自らの健康法(禁煙・食事・水泳・ランニングなど)を示して彼を振り切ろうとする。大好きなチリや葉巻がダメだと言われ、運動に付き合わされてコロンボはへとへとになってしまうのだが、やはり見るところは見ていた。

 

 初期作品でコロンボ警部の写真がとても若いです。特にトレーニングウェアを着ているので、いつものレインコート姿よりはハンサムかもしれませんね。