このDVDは「NCIS LA:潜入捜査班」のシーズン5。前シーズンの最後に、心身ともに痛手を受けたディークスの復帰から物語が始まる。これまでは「ただの相棒」としてやや頼りなくて愛嬌のある彼と距離を置こうとしていたケンジーだが、ここに来て「支えなくては」との母性に目覚める。
今シーズンの背骨は、再びカレンのルーツ。ルーマニアにあることはシーズン3で分かったのだが、米国に来てからもずっと彼を見守ってきた人物の正体が見えてくる。もうひとつ、分析官の新米ネル・ジョーンズがここにきて現場での活躍を見せるようになる。ネルはヘティよりちょっと背が高いだけ(多分5フィートくらい)の小柄な女性。
子供のように見えるのだが、IQはずば抜けて高い。先輩であるエリックも舌を巻くハッキング能力・分析能力を見せ、エリックの発奮材料にヘティは使っているようだ。荒事は苦手のエリックと違い、前シーズンでは人質になりながらテロリストの自動小銃から弾倉を引き抜く離れ業を見せる。今回も、エレベータで逃げる犯人を階段を使って追いかけ、拳銃を発砲して逮捕してしまう。
ディークスと懇ろになったケンジーはアフガニスタンでの怪しげな任務に就き、臨時で彼の相棒にネルが起用されることも、でも彼から「背が足りないよね」と言われてしまう。「本心」という巻で、長期の潜入捜査をしているアンジェロというNCIS捜査官が語る「3つの心(*1)」の話が面白い。ずっと嘘をつくことで生きてきた人間の、魂の告白のように思われた。
実際のNCISに潜入を専門とする部門があるのは確かで、政策側はそれをヒントにスピンオフを作ったのですが、さすがにシーズン5ともなるとその看板が重そうです。2回に1度は潜入をシナリオに入れようとするのですが、ちょっと無理が目立つかも。
*1:他人に見せる心、家族にだけ見せる心、自分だけの心